中能登町で7月に開催される「石動山まつり」のイベント「能登ヒバ ライブ彫刻」に挑む現代彫刻家・長谷川琢士さんが6月24日、自身が経営するダイニングバー「HUNI（不二）」（金沢市材木町）のアトリエでリハーサルを行った。

ダイニングバー「HUNI（不二）」のアトリエ店内の様子

　静岡県出身の長谷川さんは世界中を旅しながらさまざまな価値観と文化に触れるうち、東洋の思想の中でも仏教や禅に自身の価値観の根源を見いだし、名古屋の仏師・福井照明さんの下、仏像彫刻と仏教美術を学んだ。その後、金沢出身の仏教学者・鈴木大拙の思想に共鳴し金沢へ移住。昨年4月から同店を営みながら、大乗寺への参禅や座禅と彫刻家としての活動を続けている。

　浅野川沿いの同店を活動拠点する長谷川さん。「川の流れや、山、鳥の声など、自然を感じられるのが魅力」と話す。古民家を改装した店内は1階にカウンターとテーブル席、2階は畳にカウンター席・長谷川さんの住居スペースと作業部屋、地下にアトリエを設ける。

　リハーサルでは、長谷川さんが3時間をかけヒノキ材から仏像を彫り上げる様子が公開された。本番の「石動山まつり」では、長さ2メートル・直径30センチの能登ヒバの丸太から石動山に祭られる神「伊須流岐比古」の像を彫り上げる。「木の様相が変化していく様子を見て、普段目にする木に対する礼儀・礼節などを感じてもらえば」と来場を呼び掛ける。

　石動山まつり開催日は7月26日・27日。ライブ彫刻イベントは27日12時～15時。