特集

【地域の魅力探り隊 with 北陸大学】
vol.10 ポケモンのいる和倉温泉 能登全体の復興へ

 5月にオープンして人気を集めている和倉温泉の「わくらポケモン足湯」(七尾市)を訪問した。建物に近づくと、入り口に描かれたポケモンのキャラクターが目に入り、一般的な足湯とは違って明るい雰囲気だ。湯に足を入れると、じんわりとした温かさが広がり、街を歩いてきた足の疲れが和らぐ。目の前には七尾湾が広がり、ピカチュウなどの像を眺めながら過ごす体験は、地域の観光資源の一つになっている。


七尾湾を望む絶好の撮影スポットになっている(写真提供=中村祐輝)

 和倉温泉は令和6年能登半島地震で甚大な被害を受け、一時は全19軒の旅館が休業した。現在は9軒が営業を再開しているが、完全復興までにはなお時間を要する。同施設を整備した背景には、震災から立ち上がろうとする地域の思いがある。


「わくらポケモン足湯」の全景(写真提供=中村祐輝)

 同施設は、石川県と包括連携協定を結ぶ一般財団法人「ポケモン・ウィズ・ユー財団」が七尾市の協力を得て、震災で被災した「湯っ足りパーク」内の足湯施設を全面リニューアルする形で整備。同財団がポケモン関連の内装費用を負担し、今年5月12日に開業した。足湯は、長さ15メートル、幅1メートル、深さ25センチで、湯口にはキャラクターのギャラドスがデザインされ、障子窓にもポケモンが描かれている。

足湯の湯口を彩るギャラドスの装飾(写真提供=中村祐輝)

 足湯に訪れていた若い世代や家族連れは、キャラクターと一緒に写真を撮って楽しんでいた。温泉にあまり来ることがないという大学生は「誰かに紹介したくなる場所」と話す。同施設を運営する七尾市交流推進課の担当者によると、連日、地元の人から観光客まで多くの人でにぎわい、「こんなすてきな場所ができて本当にうれしい」「子どもも大人も一緒に笑顔になれる」といった声が寄せられているという。リニューアル前と比べて客層にも変化が見られ、若い世代や家族連れ、県外からの観光客も増え、大人から子どもまで幅広い世代が利用していると話す。施設周辺にも波及効果があるといい、新しい観光スポットが温泉街を歩くきっかけとなって、和倉温泉の復興の一助となっているようだ。

 復興支援の取り組みは今後さらに広がる。石川県と同財団は7月7日、能登観光の拠点「のと里山空港」を、世界で初めてポケモンの名を冠した空港「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」としてリニューアルオープンした。7月18日からは北陸鉄道グループが運行するポケモンのラッピングバスも登場し、金沢と輪島を結ぶ特急バスに加え、空港と「わくらポケモン足湯」などの観光スポットを結ぶ周遊バスの新路線での運用が始まった。

 同担当者は「和倉温泉街は能登全体を巡る拠点の一つ。地域の復興と新たなにぎわいを先導していく存在となるように期待している」と話し、「観光客を温かく迎えられる地域でありたい。少しずつだが着々と復興を進めている和倉温泉に、ぜひ来てほしい」と呼びかける。


「わくらポケモン足湯」
利用時間は7時~19時。無料。

https://www.wakura.or.jp/brochure/brochure-4313/


【地域の魅力探り隊 with 北陸大学】は北陸大学の協力の下で取材を行い制作した特集記事です。
 

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