
提供:浦建築研究所 制作:金沢経済新聞編集部
金沢市に本社を置き、東京や中国・大連にも拠点を展開する浦建築研究所(金沢市本多町3)。社員52人と、組織設計事務所としては県内屈指の規模を誇り、意匠、構造、設備のエキスパートが連携する「総合設計力」を強みに、県内外で幅広い建築物を手がけている。近年は案件増加に伴い社員の採用にも力を入れており、海外から応募が寄せられることもあるという。
今回、同社で活躍する窪田日胡さん、胡桃彩杜さん、戸井幹太さんの若手社員3人にインタビューし、入社のきっかけや日々の仕事、浦建築研究所ならではの取り組みなど話を聞いた。
金沢市本多町にある浦建築研究所本社ビル(写真提供=浦建築研究所)
―――まずは皆さんが浦建築研究所に入社したきっかけをお聞かせください。
窪田:私は在学中にインターンに参加したことがきっかけです。福井出身で、地元の工業大学で意匠を学んでいました。もともとは県内での就職を考えていたのですが、先生から若いうちにもっと大きな所も見た方がいいとアドバイスを頂き、北陸全体に視野を広げる中で浦建築研究所を知りました。インターンでは模型制作などに携わり、大学で学んできたことと実務がつながる実感がありました。
その中でも、決め手となったのは社員の皆さんの「人の良さ」でした。どこに行っても仕事を頑張るということは変わらないのだから、雰囲気の良い会社で働きたいと思いました。
「意匠」を担当する統括設計グループに所属する窪田さん。入社2年目。
胡桃:僕もインターンがきっかけです。ただ、入社動機は窪田さんとは逆で、浦建築研究所なら大学で学んでこなかった分野にも挑戦させてもらえると知ったからです。
僕は「構造」として入社していますが、大学の建築学科では「意匠」を学んでいました。けれど次第に「自分にデザインは向いていないのでは」と感じるようになって。一方で、近年は全国各地で災害が頻発しており、「構造」はこれからますます重要な役割を担う分野だと感じていました。浦建築研究所では、経験の有無だけでなく適性も見て採用してもらえると知り、一からでも構造を学び「手に職をつけたい」と考えました。
構造設計室に所属する入社2年目の胡桃さん。設計事務所を営む父の勧めで浦建築研究所のインターンに参加した。
戸井さん:僕は新卒の2人とは違って、中途採用で入社しています。昔から建築が好きで、専門学校で設計を学んでいたのですが、「建築業界は厳しい」と言う親を説得しきれず、一度は別分野に就職しました。けれど、「たった一度きりの人生なのだから、好きなことを仕事にしたい」という思いを抑えきれなくなり、転職を決意。もともと「金沢港クルーズターミナル」が好きでよく訪れていたのですが、その設計をしたのが浦建築研究所だと知り、応募しました。僕も「デザイン」ではない形で建築に携わってみたくて、未経験ながら「設備」として入社します。
―――浦建築研究所では、未経験の分野でも入社後に学べるということでしょうか?
戸井さん:そうですね。僕は入社4年目ですが、今も日々先輩方から学ぶことばかりです。質問をすると、皆さん業務が忙しい中でも嫌な顔一つせず丁寧に教えてくださって…。先輩全員、神のようにあがめています(笑)。
環境設計室所属の戸井さんは中途入社。給排水やガス、空調設備などを扱う「機械設備」担当。
―――実際に入社してみて、いかがでしたか?
窪田さん:入社してすぐに、コンペなどのプロジェクトにも参加させていただきました。通常は先輩方のサポート業務から始まることも多いと思うのですが、浦建築では社歴に関係なく、若手にも等しくアイデアを求めてもらえます。もともと私はコンセプチュアルなことを考えるのが好きなので、とてもやりがいを感じています。浦建築設計では学校や保育園、病院、公共施設など、実に幅広い建築を扱っています。プロジェクトが始まる度に、新たな分野について学べるのも楽しいです。
職場の窪田さん
―――仕事環境はいかがでしょうか。
窪田さん:働く環境はとても整えていただいていると感じています。基本的には9時始業、17時30分終業です。何もなければ定時に帰れることもありますし、残業があっても1~2時間程度で終えることが多いです。もちろん、コンペの締め切り前などは集中的に残業することもありますが(笑)。
―――設計事務所というと、長時間労働のイメージがありました。
窪田さん:私も設計事務所ってもっと堅苦しくて過酷な職場なのかなと思っていました。もちろん仕事では日々大変なこともありますし、初めて親元を離れて暮らす寂しさもありましたが、浦建築は本当に皆さん優しくて、気軽に相談できる環境があるので、そこにとても救われています。
職場のメンバー(写真提供=浦建築研究所)
―――戸井さんが所属されている「浦環境研究所」は、どのような仕事なのでしょうか。
戸井さん:浦環境研究所は、もともとは「浦設備研究所」という名称でした。従来の「設備」の業務に加えて、より環境への貢献を目指す姿勢を明確にするため、2023年に名称変更しています。その中で僕は、給排水や空調などを扱う「機械設備」を担当しています。建築はよく人体に例えられます。骨格に当たるのが「構造」、皮膚や外見に当たるのが「意匠」、そして内臓に当たるのが「設備」です。どんなにデザインが良くても、暑かったり空気がよどんでいたりする空間には居たくない。全てがつながって、一つの建築を形づくっています。
浦建築研究所は、意匠・構造・設備がそろう組織設計事務所です。各部署が緊密に連携することで、総合的に「良い建築」をつくることができるのだと思います。
職場の胡桃さん
―――浦建築研究所では、業務とは別に「班」を作り、ユニークな社内活動も展開されていますね。
胡桃さん:はい。「環境ラボ」や「新技術研究班」「工芸建築ラボ」「建築批評班」「イベント班」「アワード班」など、実にさまざまな班があります。部署を横断してメンバーが集い、普段の業務とは違う視点で学びあったり、活動したりしています。
窪田さん:私は今年からイベント班になりました。忘年会や新入社員歓迎会などを企画しています。同じ社内活動でも、研修やセミナーといった「勉強」に近い活動は建築批評班が担当していますが、イベント班は「仕事を忘れて楽しむ!」という趣旨を大切にしています。そうした懇親の機会も、きちんと班として運営しているところに、社員同士のつながりやコミュニケーションを大切にする浦建築研究所らしさを感じます。
戸井さん:僕は「環境ラボ班」に所属しています。実際のプロジェクトとは別に、最新技術や手法を学びながら、新しい環境建築のあり方について考える班です。環境建築は、意匠・構造・設備のどれか一つだけで達成できるものではありません。だからこそ部署を横断したメンバーで学び合い、それぞれの専門性を持ち寄りながら、これからの建築に求められる環境性能や快適性について考えています。
社内親睦会の様子。この時はたこ焼きパーティー。(写真提供=浦建築研究所)
―――浦建築研究所では、BIMをはじめ、新しい技術の導入にも積極的ですよね。
胡桃さん:そうですね。「新技術研究班」という班があり、BIMをはじめ、AIやVRなど、常に最新技術の導入に取り組んでいます。業務を効率化し、成果物のクオリティーを高められるものは、会社として積極的に取り入れています。
―――北陸ではBIMを本格的に導入している設計事務所はまだ多くない印象です。
窪田さん:浦建築研究所では、5年前からBIMの導入を進めており、意匠の若手はほぼ全員使えます。時代の変化に対応しながら、新しい技術も学べる環境だと思います。
BIMモデルで情報として立ち上げられた図面(写真提供=浦建築研究所)
―――浦建築研究所では、皆さん若いうちから資格試験にも挑戦されていますよね。
窪田さん:そうですね。後からだと業務と重なって大変になるので、比較的早いうちに資格取得を目指す雰囲気があります。私も今、一級建築士の資格取得に向けて勉強中です。資格試験の勉強でも、先輩方に相談に乗っていただくことがあります。少し質問しただけでも、すごい文量で返してくださることがあって(笑)。本当に頭が上がりません。
―――忙しい中、皆さんどのように勉強時間を確保しているのですか。
窪田さん:人それぞれですが、私は朝早めに出社して、始業までの2時間ほどを勉強に充てています。終業後や休日も会社で勉強していいと言っていただいており、資格取得に向けて頑張る社員を、会社としても応援してくださっていると感じます。
職場の戸井さん
―――最後に、今後の目標など教えてください。
胡桃さん:能登半島地震もあり、構造の役割はますます重要になっていると思います。今はまだ先輩方の手伝いをしながら学んでいる段階ですが、これから構造計算もしっかりできるようになって「構造のプロ」を目指したいです。
戸井さん:いずれは一人で物件を任せてもらえるようになりたいです。これまで先輩方にたくさん支えていただいた分、今度は僕が後輩を支えられるような存在になりたいですね。
インタビューに応じた若手社員。左から戸井さん、窪田さん、胡桃さん。
意匠・構造・設備が連携し、若手もベテランも一丸となって建築に向き合う浦建築研究所。社員一人ひとりが専門性を磨きながらも、互いに学び合い、支え合う姿からは、「チームで勝つ」という同社の社風が感じられた。インターンも常時募集中とのことなので、気になる方はホームページの「採用情報」から問い合わせてみてはどうだろうか。