「金沢百万石まつり」のメーンイベント「百万石行列」が6月2日、金沢市内で行われ、市民や観光客ら約40万人（主催者発表）が見入る中、前田利家役の俳優川野太郎さんと、妻のお松の方役の女優横山めぐみさんが金沢城公園（丸の内）に入城した。

沿道の観衆に笑顔で手を振るお松の方役の横山さん

　百万石行列は加賀藩初代藩主である利家の金沢入城を再現するイベント。利家とお松の方をはじめ、3代藩主利常と徳川家から輿（こし）入れした2代将軍秀忠の娘珠姫、加賀八家老らによる時代行列、加賀とび行列、吹奏楽隊など総勢約2300人が金沢駅東広場（木ノ新保町）前から同公園までの3.1キロメートルを練り歩いた。

　沿道は見物人で埋め尽くされ、「加賀とびはしご登り」の勇壮な技や華麗なバトントワリングなどに拍手が沸き起こった。終盤に金の甲冑（かっちゅう）姿の利家と、オレンジ色のあでやかな着物をまとったお松の方がそれぞれ登場すると、盛り上がりは最高潮に達し、「かっこいい」「めぐみちゃん、かわいい」と歓声が飛び交った。馬上の川野さんは采配を握った右手を高く掲げて応え、横山さんは会釈をしながら笑顔で手を振った。

　同公園では「入城祝祭」が行われた。川野さん扮（ふん）する利家が「まつ、共にこの地を守ろうぞ」と呼び掛けると、横山さん扮するお松の方は「殿、私に任せてくださりませ」と応じ、夫婦の固い絆をアピール。利家はやりを手に持ち、観衆らと共に「エイエイオー」と勝ちどきを上げた。

　終了後の記者会見で川野さんは「普通は10分も手を挙げていられないが、次々に声援が来ると、1時間以上挙がっちゃうものだなと思った。皆さんのエネルギーを頂いた」と笑顔で話し、横山さんも「沿道の皆さんの声援の温かさに支えられた。『いつも見てるよ。頑張ってね』と声を掛けられ、これからも女優という仕事を頑張ろうと思った」と感慨深そうだった。

　3日には、金沢城公園で開催された関連企画「加賀百万石『盆正月』」にミッキーマウスやミニーマウス、ドナルドダック、デージーダック、グーフィーらディズニーキャラクターたちが登場し、新丸広場の園路約500メートルを車でパレードした。集まった親子連れら約2万人（主催者発表）が大歓声を上げてミッキーらに手を振り、携帯電話などのカメラを向けた。市内在住の子どもたち約80人と東京ディズニーリゾートのダンサー8人はダンス「ナミナミナ」などを踊り、子どもみこしも参加してお祭りムードを盛り上げた。