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金沢の寺院で彫刻家・橋本雅也さん作品展-鹿の角や骨から削り出した花々

花などの植物をモチーフにした橋本さんの作品

花などの植物をモチーフにした橋本さんの作品

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 金沢の「廣誓寺(こうせいじ)」(金沢市昌永町、TEL 076-252-3592)の坐禅堂で現在、彫刻家・橋本雅也さんの作品展「殻のない種」が開催されている。

橋本雅也さんの作品展「殻のない種」が開催されている廣誓寺

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 会場に並ぶのは、鹿の角や骨から精巧に削り出された花をモチーフとした作品7点。1頭の鹿の命から生み出された作品を通して考える「死生観」をテーマとすることから、会場はギャラリーではなく寺院とした。「かつて命であった物たちを見つめ直したい」と、猟師に同行し山へ向かった橋本さんが手にすることとなった一頭の鹿が残した角と骨をできる限り使い、花々として生まれ変わらせた。

 以前は、石や木などを素材に用いたアクセサリーを制作していたという岐阜県出身の橋本さん。2000年にインドを旅した時、一本の流木を手にしたことをきっかけに新たな素材での彫刻を始めた。以後も素材との出合いを求め世界各地を巡った後、神奈川県に活動拠点を置き、現在は無住の寺をアトリエに自らが収集した木や鉱物、動物の角や骨などの素材で制作活動を続ける。昨年、大阪で開かれた個展では一頭の鹿の命を昇華した作品が大きな反響を呼んだ。

 制作手記として詩をつづった作品集「殻のない種」も開催初日の4月20日に発売された。橋本さんが詩を朗読しアコーディオンとコントラバスのユニット「mama!milk」がコラボするステージと、金沢21世紀美術館の秋元雄史館長との対談イベントも予定する(28日19時30分開演)。

 今後の活動について、「新たに出合った鹿で、今度は『風』をテーマにした作品に挑戦してみたい」と橋本さん。同展を主催する白鷺美術の巽勇太さんは「独特の静けさと気配を持った橋本さんの作品と世界観に、ぜひ触れてみてほしい」と来場を呼び掛ける。

 開場時間は13時~18時。4月29日まで。28日のチケット(当日=1,800円、前売り=1,500円)は、同寺や白鷺美術(TEL 090-2090-4944)などで取り扱う。

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