「福を招く食は香箱ガニ」「加賀棒茶でリラックス」――金沢の石浦神社（金沢市本多町3、TEL 076-231-3314）に1月18日までに、ローカルネタを満載した手作りおみくじ「神占（かみうらない）」が登場し、合格祈願に訪れる受験生や観光客らの人気を集めている。

おみくじ「神占」と「おまけ」のガラス玉

　おみくじを手掛けたのは、禰宜（ねぎ）の長谷吉憲さん（35）。景気回復を祈願する氏子が多いことから、地域経済の活性化に協力したいとの思いで、地域の味覚や観光地、伝統文化などを文言に盛り込んだ「神占（かみうらない）」を考案。昨年8月に製作に取りかかり、12月末に完成させた。

　占いの項目は26あり、一般的な「恋愛」「学業」「試験」「仕事」「健康」のほか、「食」「美容」「買物」「旅行」「技芸」などを加えた。「食」では、香箱ガニやノドグロ、和菓子、「旅行」では、武家屋敷や社寺巡り、温泉を勧めるものも。「美容」の項目では、「加賀棒茶でリラックス」「金箔（ぱく）オイルで美肌」「茶道でスタイル変化」「華道でセンスアップ」などと、地元の店が販売する商品や伝統文化を絡めてアドバイスしている。

　総合運は全17種類で、1,000枚に1枚の確率のプレミアムおみくじ「叶（かなう）」「幸」、500枚に1枚の「福福福（みふく）」、大吉よりも良い「福大吉」「大大吉」、「凶」よりも悪い「福凶（ふくきょう）」「大凶」も用意した。

　さらに、魔よけの意味を込めた金箔入りの小さなガラス細工を「おまけ」として付けた。ウサギやダルマ、金魚などの形があり、「おみくじが悪くても、おまけを見て喜ぶ人もいる」（長谷さん）という。

「神占」は現在、500通りの組み合わせがあり、今後、さらに増やす予定。長谷さんは「金沢は食に関しても、風土に関してもすごい所。地元の方でも知らないことが多いと思うので、おみくじを通して知っていただけたらうれしい」と話す。

　初穂料は300円。