金沢で「クリニクラウン」フォーラム-入院生活を送る子どもとの接し方学ぶ

クリニクラウンのワークショップでは、参加者がゲームを通してコミュニケーションの楽しさを体感した。

クリニクラウンのワークショップでは、参加者がゲームを通してコミュニケーションの楽しさを体感した。

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 「クリニック=病院」と「クラウン=道化師」を合わせた「クリニクラウン=臨床道化師」の活動から、入院生活を送る子どもたちとの接し方を考えるフォーラムが6月21日、石川県立音楽堂(金沢市昭和町)で開催され、参加者約130人が新しいスタイルのコミュニケーションについて理解を深めた。

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 同フォーラムは「日本オランダ年」の記念行事として、クリニクラウンの活動に先進的なオランダの事例を学ぼうと、石川県日本オランダ年記念行事実行委員会と金沢大学医学部医療系サークル「KURE(キュア)」が企画。日本クリニクラウン協会(本部=大阪市)が協力した。

 クリニクラウンは子どもの病室を定期的に訪ね、遊びとユーモアを通して子どもの笑顔を育む道化師で、子どもへの接し方や心理、保健衛生や病院規則にも精通したスペシャリスト。オランダでは1992年に設立された「クリニクラウンオランダ財団」がクリニクラウンを雇用。約110の小児病棟へ定期的に派遣している。

 日本でも5年前から活動を始め、現在認定されているクリニクラウンは13人。昨年は14病院に派遣され、年間延べ7,000人の小児とかかわった。治療優先となる病院生活の中では、子どもの成長にとって大切な出会いや遊びが制限されることから、子どもが子どもらしい時間を過ごせるような環境づくりを目指し、保護者や医療スタッフとともに豊かな療育環境づくりに励む。

 クリニクラウンになるには約1年間の養成期間が必要で、相手に恐怖感を与えないコミュニケーションや適切な距離の取り方、即興的な動きなどの身体表現方法を実際の病室で学ぶ。演劇やダンスなどの経験者や医療・福祉関係者などが現場で活躍している。

 プログラムの特別講演では、日本クリニクラウン協会理事のヨルン・ボクホベンさんがクリニクラウンについて紹介。パネルディスカッションでは、同協会アーティスティックディレクター・塚原成幸さん、「がんの子供を守る会」の笠井功治さん・千晴さん夫妻、「津幡町子育て支援センター」の村中智恵さんが、子どもの心のケアについて意見を交わした。ワークショップでは塚原さん指導の下、参加者がゲームを通してコミュニケーションの楽しさを体感。「子どもが発することをキャッチするのがクリニクラウンの極意」と塚原さん。8月23日には大阪で「クリニクラウンフォーラム2009」が開催される。

 同フォーラムには金沢大学の学生10人が企画当初から参加し、パネルディスカッションの司会なども担った。司会を務めた中野恵理さんは「難しいテーマだけに、分かりやすく伝えようと思った」と振り返る。

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