市民出資型「輪島門前ウィンドファーム」-建設に向けシンポジウム開催

「地球は親からもらったものではなく、子どもたちから預かったもの」との北米の先住民の言葉を引用し、地球環境の大切さを訴えるパネリストら

「地球は親からもらったものではなく、子どもたちから預かったもの」との北米の先住民の言葉を引用し、地球環境の大切さを訴えるパネリストら

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 石川県輪島市門前町で4月1日から建設が始まっている市民出資型の大規模風力発電所「輪島門前コミュニティウィンドファーム(大規模風力発電所)」に関するシンポジウムが5月31日、ウェルシティ金沢・石川厚生年金会館(金沢市石引)で開かれた。

TBS「みのもんたの朝ズバッ!」でもおなじみ、末吉竹二郎さんによる講演の様子

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 同ウィンドファームは風車11基で構成し、来年3月の稼動を目指している。11基のうち10基は、市民風力発電(北海道札幌市)が設立した「能登コミュニティウィンドパワー」が建設する。総事業費は約48億円。そのうち28億5,000万円は信託会社がファンドを設立し現在市民から出資を募っている。電力を電力会社に販売し、利益から出資者に配当する計画だ。残り1基は金沢のNPO法人「市民環境プロジェクト」が設立した有限責任中間法人の「輪島もんぜん市民風車」が建設する。事業費約5億2,000万円は補助金のほか市民出資や寄付によって調達する予定。

 現在、市民の出資によって建設される市民風車は国内で11基が稼動しているが、1カ所に11基もの風車を建てる市民出資型ウィンドファームは全国初。地元門前からも「地震からの復興のためにも早く建設を」との声が上がっているという。

 シンポジウムでは国連環境計画金融イニシアチブ特別顧問で、TBS「みのもんたの朝ズバッ!」でコメンテーターも務める末吉竹二郎さんが「持続可能社会と環境投資」と題して基調講演を行い、地球温暖化が予想を超えるスピードで進んでいることを指摘。この危機に立ち向かうために、「人が変わり、経済が変わらなければならない」と話した。末吉さんによれば、自然エネルギーへの投資がここ数年で非常に活発になるなど実際にお金の流れが変わってきているという。

 後半は末吉さんを交え、NPO法人「北海道グリーンファンド」事務局長の鈴木亨さん、「南北海道自然エネルギープロジェクト」代表のピーター・ハウレットさん、NPO法人「市民環境プロジェクト」代表理事の三國千秋さんがパネルディスカッションを展開。「どこにでも豊富に存在し、枯渇せず、安く、環境に優しいという条件を備えた風力を活用するウィンドファームを市民の手で実現することで、門前から日本を変えていこう」と会場に集まった170人余りの市民に訴えた。

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