石川の稲作農家が日本初の農業ファンド募集-出資者は田植えや収穫を体験

参加型農業ファンドの趣旨について市民に説明する佛田さん

参加型農業ファンドの趣旨について市民に説明する佛田さん

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 米の生産、農産物加工・販売を行うぶった農産(石川県野々市町)は現在、日本初となる個人向けの参加型農業ファンド「特別栽培米コシヒカリ2009」を募集している。

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 同ファンドは、音楽をはじめ、飲食店や酒蔵などの社会性・文化性の高い事業向けのソーシャルファイナンスプラットフォーム「セキュリテ」を運営するミュージックセキュリティーズ(東京都千代田区)と業務提携して実現した。個人が小額(1口5万円)で農業者自身に直接出資ができ、農作業にも参加できるのが特徴。

 同社社長の佛田利弘さんによれば、個人投資家向けで農業者による農業ファンドの募集は日本初。5月現在で約80人の出資者から計500万円の出資が集まっている。募集は佛田さんが代表を務める「つながる食農の会」のホームページ上で、6月30日まで継続する。

 ファンドを通して集めた資金は約10ヘクタール分のコシヒカリ生産のための肥料・苗・人件費などに充てる。分配はコメの売上に応じて一定割合を出資者に金銭分配。元本を下回る販売量だった場合は現物(米)で分配する。また出資者特典として、1口あたり1.5キログラムの米のプレゼントや、田植えや収穫など農作業体験ツアーを用意する。

 「これまで農業では『作ること』と『食べること』の間に大きな距離があった。出資者に農業のプロセスを体験してもらうことで、農家と生活者をつなげることができれば」(佛田さん)。

 同ファンドは新たな農業金融のモデルケースとしての意味合いも大きいという。佛田さんは「現在、新規就農の壁になっているのが資金繰り。全国の農家や農家を志す人に取り組んでもらえる新しい農業金融のかたちをつくっていきたい」と意気込んでいる。

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