染色作家・井上藍さんの「井上藍 展‐空を染める‐」が金沢のシェア型複合ホテル「HATCHi 金沢 -THE SHARE HOTELS-」(金沢市橋場町3、TEL 076-256-1100)で開催されている。
【VRで読む】HATCHi 金沢で開催中の「井上藍 展‐空を染める‐」
井上さんは京都府生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、今春、同大学大学院を修了し、金沢卯辰山工芸工房に入所。2月には「ガレリアポンテ」(野町1)で個展を開催、3月には「ArtShop 月映」(安江町)でのグループ展に参加するなど、活動の幅を広げている。
今回は、主催する「ガレリアポンテ」代表の本山陽子さんが「ホテルの広い空間を支配するような作品を作ることができる作家」として、井上さんに依頼したという。
天井には、深い黒色で染めた11メートル×1.16メートルの布作品がつるされている。開放的な空間を染め上げるような大作で、井上さんは「特に模様にこだわった。エントランスから入る風や空調、照明による表情の変化も楽しんでもらえたら」と話す。壁面には、今回のために新しく作った7枚のパネルの連作を展示。「染色の工程から感じる、水が湧き出るようなイメージ」を元に仕上げたという。
絞り染めの技法を応用した陶器の器も展示、販売する。「器自体の形やサイズなど使い勝手にもこだわった」といい、会場の一角でもある和食ダイニング「a.k.a.」で提供する料理の器としても使われている。
本山さんは「地元の方だけでなく、旅行者や外国人などさまざまな人が行き交うオープンな空間を新鮮に彩ってくれている」と話す。井上さんは「海外の方も興味を持っていただけているようでうれしい。ご飯を食べたり、おしゃべりしたりしながら、気軽に眺めていただけたら」と呼び掛ける。
開催時間は7時~23時。観覧無料。10月23日まで。