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金沢21世紀美術館で80年代表現に起点探る企画展 作家19人紹介

作品を解説する日比野克彦さん

作品を解説する日比野克彦さん

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 金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、企画展「起点としての80年代」が開催されている。

【VRで読む】金沢21世紀美術館で開催中の企画展「起点としての80年代」

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 現代美術の多様な企画で人気の高い同館が、1980年代の作品をこれまでとは違った目線で改めて検証し、現代の日本美術への影響を探る同展。現在も最前線で活躍する19人の作家らが主に20歳代だった当時の表現を振り返り、「起点」となる66点の作品を紹介する。

 コンセプチャルでストイックな表現の1970年代と「おたく」など1980年代のサブカルチャーに影響を受けた表現が主流となった1990年代のはざまにある1980年代。絵画や彫刻の復権が唱えられ、好調な経済を背景に色彩豊かでのびのびとした筆使いの「ニュー・ペインティング」が広まり、今日の美術において重要なインスタレーションという形式やメディアアートなども生まれた。

 同館では「1980年以降に制作された新しい価値観を提案する作品」をコレクションの収集方針の一つに掲げており、現代に座標軸を置く美術館として同展を通して「今の表現への起点」を見つめ直す。同館長の島敦彦さんは「当時の美術は今、見ても古さを感じない。若い世代の観覧者の反応も楽しみ」と話す。金沢を皮切りに高松(11月3日~)、静岡(来年1月5日~)を巡る共同企画。

 7つの会場は「メディウムを巡って」「日常とひそやかさ」「関係性」「記憶・アーカイブ・物語」の4つの章で構成される。日比野克彦さんが東京芸術大学在学中に日本グラフィック展で大賞を受賞した3部作を中心に段ボールで制作したポップで軽やかな作品や、グラフィックデザイナーとして活躍し1980年代に画家に転向した横尾忠則さんが画家宣言後の初個展で出品した作品「うまい作り話」、石や粘土など多彩な素材を駆使し巨大な彫刻や絵画を制作した中原浩大さんの作品などが並ぶ。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。休場日は毎週月曜(8月13日、9月17日・24日、10月8日は開場)、9月18日・25日、10月9日。料金は、一般=1,000円、大学生・65歳以上=800円、小中高生=400円。10月21日まで。

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