恋人たちの日に届けられるのは「あじわう罠(わな)」――。石川県生まれで金沢美術工芸大学出身のアーティスト・諏訪綾子さんが主宰する「フードクリエイション」が、食材で出来た「作品」をバレンタインに合わせウェブサイト上で限定販売する。
昨年、金沢21世紀美術館で発表された「感情のテイスト」の作品の一部
諏訪さんは昨年、金沢21世紀美術館や伊勢丹食品フロア、シンガポールでの国際展、雑誌「Numero TOKYO」などで「sensuous food, emotional taste, 感覚であじわう感情のテイスト」と題し、食材から出来た作品を発表。作品を目にしたときや口に入れたとき、そして胃の中へ入っていくまでにわき起こるさまざまな感情をテーマにした作品は、実際に五感で味わえるアートとして話題を呼んだ。
同シリーズの新作となる今回の作品は、バレンタインデーに合わせて企画したもの。作品番号87番の「隠しきれない嬉しさと忘れられない切なさがとけあうテイスト」と同88番の「くすぐられるような幸せと後をひく誇らしさのテイスト」の2種類を用意する。昨年のエキシビションでは諏訪さんが実際に一品一品振る舞うスタイルをとっていたが、今回はウェブサイト上のみでの限定販売。あえて作品写真は掲載せず、「最小限の文字情報のみの掲載にしているのは、手に入れるまでの間に感情の味わいへの想像をかき立ててもらいたいから」と諏訪さん。
「食べ物を口に入れ、味わうことによって、人の気分が誘導できる。ましてや、食べ物を贈ったり、誰かの口に入れたり、味わってもらうことは、罠を仕掛けるようなもの。贈る気持ちと誘う気分が混ざり合うバレンタインに向け、すてきな男女にささげたい」(諏訪さん)。
価格は4,000円(送料別)。各30個限定。箱入りでエディションナンバー、アーティストサインが入る。注文は2月11日まで。