国立工芸館(金沢市出羽町、TEL 050-5541-8600)が金沢に移転開館して1周年になるのを記念して10月9日、「《十二の鷹》と明治の工芸」展が始まった。
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目玉の展示は、金工家の鈴木長吉が1893(明治26)年のシカゴ万博で発表した「十二の鷹」。主任研究員の北村仁美さんによると「鈴木が4年間かけて制作した金工作品で、高い技術力と共に生き生きとしたタカの表情やしぐさなどの表現力が評価されている」という。今回の展示では、紛失していた飾り布とひもを復元。発表当時の姿で12羽全てをそろえて展示するのは今回が初となる。通常はガラス越しの鑑賞としているが、作品の細部まで見てもらいたいと展示室の中央に展示した。
展示に合わせ、全てのタカを3Dデータ化。スマートフォンやタブレット端末であらゆる角度から作品を見られるようにし、背中側や腹部の側からも一羽一羽をじっくりと鑑賞できるようにした。
展示では同作品のほか明治から現代までの工芸作品約100点を展示。1977(昭和52)年に東京で開館し金沢に移転した同館の歴史を振り返る特設コーナーも設置した。
移転開館記念日となる10月25日には、1周年記念イベントを実施。ホームページで予約して来館した人全員にオリジナルグッズを進呈する。館長による同展の特別レクチャーを行うほか、通常は立ち入り禁止となっているエントランス正面の中庭を開放し作品を間近で鑑賞できるようにする。グッズは11月1日にも進呈する。
開館時間は9時30分~17時30分。月曜休館(10月25日と11月1日は開館)。入館料は、一般=500円、大学生=300円(10月17日と11月3日は無料)。12月12日まで。