金沢学生のまち市民交流館(金沢市片町2)の交流ホールで7月29日、「『誰も取り残さない』は誰のため?を考える映画上映会」が開催される。
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193カ国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標のこと。地球上の誰一人として取り残さないことを誓い、発展途上国のみならず、先進国自身の普遍的な取り組みを推進している。
金沢を中心とする石川県でもSDGsを推進しており、コンセプトを「誰も取り残さない」開発としている。当日は、さまざまな事情を抱えてパリ10区の公立高校のフランス語適応クラスに集まった子どもたちのドキュメンタリー作品「バベルの学校」を上映する。同作は誰も取り残さない社会がなぜ必要なのか、誰にとって必要なのかを教えてくれる映画という。
国連大学サステイナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット事務局長の永井三岐子さんは「SDGsに関心のある方はもちろん、教育関係の方には、次世代の子どもたちが直面するであろう人工知能(AI)や外国人との共存などの社会への適応力を養うということ、企業や自治体の方には、外部変化に強い組織への変革のために多様性がどうして重要か、という視点を持ってもらうと面白いのでは」と話す。
当日は映画上映のほか、トークイベントも開催予定としており、多様性を切り口に金沢市の国際化やインバウンドについて話す。22日には、さいはての「キャバレー準備中」(珠洲市)でも同イベントを開催。上映作品は「自分とは違う隣人」が抱える問題を思いやる力を培う公立小学校の取り組みを描いた「みんなの学校」。
永井さんは「誰も取り残さない社会がなぜ必要で、誰にとって必要なのか、多くの人に伝えるための映画上映を模索していたところ、World Theater Project北陸支部・代表を務める金原さんと知り合い、コラボ企画が実現できた」と話す。「10年後の社会がどうなっているか予測できず、変化に対応できる力が求められている今だからこそ、子どもたちの可能性を感じさせてくれる映画を見に来ていただけたら」とも。
開催時間は13時30分~16時30分(13時開場)。参加無料。申し込みはホームページで受け付ける。