金沢市内でチョコレートを製造する「ロータスコンセプト」(金沢市山の上町、TEL 076-208-4235)の「love lotusチョコレート」が3月1日、「ソーシャルプロダクツ・アワード2018」国際部門で大賞を受賞した。
「ソーシャルプロダクツ・アワード」は人や地球に優しい商品やサービス(=ソーシャルプロダクツ)の普及・促進を通じた持続可能な社会の実現を目的として、優れたソーシャルプロダクツを表彰している。石川県の企業が大賞を受賞するのは初めて。
同社は昨年3月、カカオ豆の粉砕からペースト化、成型までを一つの工房で行うBean to Bar方式のチョコレートブランド「love lotus」の立ち上げを目指し、クラウドファンディングで資金を募った。使用するカカオ豆は、カカオ豆産地での児童労働の搾取を行わないベトナムの農園と契約。売り上げの一部を、児童養護施設の子どもたちにぬくもりのある木製のおもちゃをプレゼントする木育活動「Lotus Project」の運営に充てる。クラウドファンディングでは同社の活動に賛同した93人から希望金額を超える額の支援があり、同年10月にチョコレートの初出荷にこぎ着けた。
今回受賞した「love lotusチョコレート」(1箱=1,380円~)はカカオ豆の栄養分を壊さないよう、48度以下の温度にこだわって製造したローチョコレート。荒くひいた無農薬栽培のカカオのフルーティーな香りと、奄美諸島・喜界島の黒糖の風味が感じられ、独特の食感が楽しめるという。素材の味や香りをシンプルに楽しむ「Pure 果てしなく純粋な恋」をはじめ、創業360年の老舗「長保屋茶舗」(小松市龍助町)の加賀棒茶や金沢産のユズをブレンドしたものなど、4種類をラインアップする。パッケージは同社のコンセプトに賛同した「マツバラ」(河原市町)の貼り箱職人が一つ一つ手作業で仕上げ、食べた後は名刺入れやペンケースなどにも使えるという。
審査員からは「食感や和風なフレーバーが新しく、現在主流のチョコレートとは一線を画する食味がある。パッケージデザインも美しく、キャッチコピーやユニークなネーミングも消費者を魅了するだろう。カカオの原産国と国内の子どもを取り巻く問題、双方を解決する取り組みとして、社会性が非常に高い」との評価を得た。
同社代表の蒲田ちかさんは「発売以来、お客さまや販売先の店舗の方から今までに食べたことがない食感、味、香りで感動したと反響が多く寄せられており、今回の受賞も大変うれしく思う。昨年11月には会津若松の乳児院で木育キャラバンを行っており、今後は金沢の児童養護施設でも行っていきたい。チョコレートを通して、子どもたちへ皆さまの愛のお裾分けをさせていただければ」と話す。
同商品は石川県内の「アミング」「自然食品の店シンフォニー」各店、「こまつ町家文庫」などのほか、同社オンラインショップでも取り扱う。