カナザワ映画祭、今年は「実話」テーマに開催へ-日本初公開作品も

「カナザワ映画祭2008 フィルマゲドン」のポスター

「カナザワ映画祭2008 フィルマゲドン」のポスター

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 かなざわ映画の会は9月12日より、金沢市内の映画館などで「カナザワ映画祭2008 フィルマゲドン」を開催する。

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 「映画を見ることによって世の中で起きている問題について考えたいと思い、『実話』をテーマにした」(同会代表の小野寺生哉さん)。期間中、日本初公開作品7作品を含む20作品を上映。うち5本は学生がボランティアで字幕をつける。

 同会は、2007年に初の映画祭「カナザワ映画祭2007 青いオトコまつり」を開催した。今回は、昨年の実績をもとに、小野寺さんが直接海外の映画監督やプロデューサーと交渉するなどして上映作品をそろえ、同イベントのみで公開する作品7本を上映する。

 日本初公開作品のうち、「What Is It?」と「It is Fine! Everything is Fine.」はハリウッド俳優クリスピン・グローヴァーさんの監督作品で、イベントにもグローヴァーさん本人が登場する。グローヴァーさんは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ワイルド・アット・ハート」「デッドマン」や「チャーリーズ・エンジェル」シリーズなどの作品に出演する一方、自ら監督した作品を携えて全米各地を興行する「ビッグ・スライドショウ」を展開している。9月13日・14日、「ビッグ・スライドショウ」の金沢版として2作品を上映し、グローヴァーさんとの質疑応答やサイン会の時間も設ける。

 上映作品には、ドキュメンタリー作品が多く含まれる。日本初公開作品のうち、「消えた少女たち」(2001年・メキシコ)はアメリカとメキシコの国境の町で10年以上にわたって続く未解決の少女大量失踪殺人事件を扱う。「アブグレイブの亡霊」(2007年・米国)はイラク・アブグレイブ刑務所での米軍によるイラク人捕虜虐待事件を描く。「シャドウ・カンパニー 戦争を変えた民間軍事会社」(2006年・カナダ)は顧客の要望で戦闘員を戦場に人材派遣し警備・戦闘業務を担う民間軍事会社を題材にした作品。ドキュメンタリー作家フレデリック・ワイズマン監督による「基礎訓練」(1971年・米国)、「ミサイル」(1987年・米国)も日本初公開される。

 日本初公開のデジタル作品については、金沢市内の専門学校生3人と高校生、大学院生が、プロの翻訳家が邦訳したセリフを映像に落とし込む作業を担当した。金沢科学技術専門学校映像音響学科1年の東航平さんと竹村正成さんは「外国語を聴き慣れていないので、タイミングを合わせるのが難しいなどの苦労もあるが、劇場で上映される作品に字幕をつけるのは貴重な体験。料金を払って映画を見ていただくお客さんのためにしっかりとした字幕をつけたい」と話した。

 期間中、世界の紛争地帯などを取材してきたカメラマン・釣崎清隆さんによる「ジャンクフィルム」「死化粧師オロスコ」の上映、釣崎さんと芥川賞作家のモブ・ノリオさんによるトークショーなども開催するほか、オープニング野外上映やオールナイト上映なども予定する。

 会場は、金沢21世紀美術館「シアター21」(広坂1)、シネモンド(香林坊2)、駅前シネマ(笠市町6)など。チケットは金沢21世紀美術館ミュージアムショップ、シネモンドなどのほか、同会サイト内で取り扱っている。9月19日まで。

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