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金沢東茶屋街近くに「加賀友禅」コンセプトの一棟貸し町家宿 外国人ターゲットに

「Yuzen 旅音」の外観

「Yuzen 旅音」の外観

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 金沢の東茶屋街近くに10月1日、加賀友禅を各所にあしらった町家を一棟貸しする宿泊施設「Yuzen 旅音」(金沢市東山、TEL 076-205-8092)がオープンした。

【パノラマVR】東山にオープンした一棟貸しスタイルの宿泊施設「Yuzen旅音」

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 観光客の増加に伴い、ホテルやゲストハウス、シェアハウスなど宿泊スタイルの多様化が進む金沢。同館は「金沢に暮らすように旅をする」をテーマに、各町家に独自のコンセプトを持たせた1日1組限定の一棟貸しスタイルで差別化を図る。

 運営するのは「こみんぐる」(安江町)。コンセプトハウス「Kanazawa 旅音」(小橋町)を皮切りに、「Geiko(芸子)」(白菊町)、「Kotto(骨董)」(尾張町)、「Ninja(忍者)」(野町)などを展開し、同館が7棟目。「友禅」をコンセプトに約50平方メートルの木造2階建ての町家を改装した。定員は2~6人で、欧米や東南アジアからの外国人観光客の利用を見込む。近隣の住人にも丁寧に説明を重ね、飲食店や観光施設などとも連携し地域ぐるみで誘客を図る。

 1階の「歓迎の間」とするふすまに描かれるのは、能登の伝統文化「花嫁のれん」をイメージした花車(はなぐるま)の友禅。中国の牡丹(ボタン)、オーストラリアのゴールデンワトル、オランダのチューリップなど世界の国花を色鮮やかに盛り込んだ。群青色の壁に仕上げた2階和室のふすまには、浅野川の友禅流しをイメージした優美なデザインをあしらう。加賀友禅工房「金丸染工」(材木町)がふすまというサイズに苦労を重ねながら、約4カ月をかけ制作したという。

 利用は同社のサイトなどから予約の上、スタッフが常駐する金沢駅近くのオフィス(安江町)でチェックイン、チェックアウトは宿泊施設に鍵を置くだけのシステム。利用客は「Kanazawa 旅音」で毎日行われる交流会にも参加し、食事を共にしながら情報交換の場にも参加できる。

 同社の林俊伍さんは「街並みを残しながら活用することで、多くの人に金沢の魅力を知ってもらいたい。今後は蔵を改装した宿泊施設や、結婚式の前撮りやギャラリーとしての活用も考えている」と話す。

 料金は、2人利用=6,500円~、3人利用=6,000円、4人利用=5,800円~。チェックインは12時~18時、チェックアウトは10時。小学生以下は利用不可。

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