輪島市(石川県輪島市、市長:坂口茂)、能登森林組合(石川県鳳珠郡穴水町、代表理事組合長:亀井順一 郎)、一般社団法人more trees(東京都港区、代表理事:隈研吾、以下「more trees」)の三者は、能登の 創造的復興に向けた協定「能登・ふるさと共創の森づくり」を締結する運びとなり、2026年6月3日に輪島 市内にて締結式を開催いたします。締結式には、more trees代表理事を務める建築家・隈研吾も出席し、能 登への想いを語ります。本協定は、輪島市の地域資源である「アテ」(能登ヒバ)の林業を持続可能なかた ちで次世代へ引き継ぐとともに、森と地域に関わる多様な企業・団体の参画を募りながら、震災と豪雨で傷 ついた能登の森と暮らしの再生を共にめざしていくものです。

能登半島は古くから「アテ」(能登ヒバ)と呼ばれる優良な針葉樹の産地として知られ、輪島塗をはじめとする地域の文化や産業を支えてきました。ところが、2024年元日に発生した能登半島地震と同年9月の豪雨災害は、能登の暮らしと森林環境に甚大な影響を及ぼしました。森林・林業・木材産業においても、山腹崩壊・土砂流出等が100箇所以上、林道等が2,000箇所以上、木材加工流通施設が30箇所以上に及ぶ未曽有 の被害が記録され、能登ヒバの生産基盤そのものが大きく損なわれています。そして、甚大な被害が故に、依然として崩壊した山林や林道等の復旧は追い付かず、中長期的な視点からの復興支援が求められています。

「アテ」はヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹で、能登地方に古くから伝わる呼び名です。立木の状態を「アテ」、製材されて板になった状態を「能登ヒバ」と呼びます。石川の方言に由来する名前で、青森ヒバの苗を各地に植えたところ能登でしっかり育ち「当たった」ことから「木」偏に「当たる」と書いて「档(アテ)」と呼ばれるようになったといいます。

震災で崩落した道
こうした状況を受け、能登森林組合は石川県木材産業振興協会と連携して、中長期的な視点で「アテ林業」の持続化や「能登ヒバ」の高付加価値化、能登の関係人口の創出等に向けたバリューチェーンを再構築するために、2025年2月に「アテ林業・能登ヒバを活かした能登の創造的復興プラットフォーム(ATE-NET)」を設置しました。
more treesは、同枠組みに賛同して「能登ヒバ サポーター」として参画するとともに、新たに「アテ林業」の持続化や「能登ヒバ」の高付加価値化、能登の関係人口の創出等を一体的に進める「能登・ふるさと共創の森づくり」の枠組みづくりに協働で取り組んでいます。
そしてこの度、全国の企業・団体等へのアテ林業・能登ヒバを活かした能登の創造的復興への参画の呼びかけを共創で進めていくため、輪島市・能登森林組合・more treesの三者が、初の「能登・ふるさと共創の森づくり」の協定締結に至りました。
more trees代表理事を務める建築家・隈研吾は、輪島市の復興アドバイザーとして震災直後より能登の再生に関わってきました。本協定はその活動を森づくり・木づかい・関係人口創出の面から具体化するものでもあり、締結式には隈も出席し、能登の森と地域の未来について語ります。

取材をご希望の報道関係者の方は下記お問い合わせ先まで、
貴社名・お名前・ご連絡先・取材機材(カメラ等)の有無をご連絡くださいますようお願い申し上げます。
本協定では、以下の取り組みを三者が共創しながら推進していきます。
- アテ林業の持続化および多様性のある森づくり
- 能登ヒバをはじめとする地域材および林産物の高付加価値化と活用促進
- 能登の関係人口の創出に資する情報発信および交流活動
- これらの実施に必要となる人材の確保および育成
- 地域の安全・安心の確保ならびに災害時の復旧・復興支援
締結後は、多様な企業・団体等の参画を呼びかけながら、能登の森と地域を未来へつなぐ取り組みを展開する予定です。
輪島市
石川県能登半島の北部に位置する輪島市は、日本海と豊かな山々に囲まれた地域です。世界農業遺産「能登の里山里海」に象徴される自然環境を有し、伝統文化が深く息づいています。
産業の基盤となるのは豊富な自然資源です。特に林業は市域の約8割を占める森林を背景に、伝統工芸「輪島塗」の素地や建築材となる県木「能登ヒバ(アテ)」の産地として重要な役割を担っています。また、水産業では天然フグの漁獲量日本一を誇るなど豊かな漁場に恵まれ、農業では世界農業遺産の象徴である「白米千枚田」に代表される稲作や特産野菜の栽培が盛んです。
令和6年能登半島地震、さらに同年9月の奥能登豪雨という二重の災害により甚大な被害を受けましたが、現在はインフラ復旧とともに、山腹崩壊地の整備や林道の復旧、漁港や農地の機能回復を進め、これら一次産業の再生と持続可能な復興に全力を挙げています。

市役所所在地:〒928-8525 石川県輪島市二ツ屋町2字29番地
市長:坂口 茂
Webサイト:
https://www.city.wajima.ishikawa.jp/
能登森林組合
能登森林組合は、奧能登地域の輪島市を含む2市2町で森林資源を生かした持続可能な森林循環の確立を目指すとともに、森林生態系の保全にも注力しています。
能登には「アテ」と呼ばれる古くから住宅や輪島塗の木地、夏祭りのキリコ(奉燈)に使われる樹木があります。独特な林業体系と文化的側面が能登の林業発展の歴史を示すものとして、2023年に「能登のアテ林業」として日本森林学会より林業遺産に登録されました。
能登半島地震の発災後、森林・林業経営の生業復活を目指し、能登の特色を生かした「アテ林業」の持続化と「能登ヒバ」(アテの製品名)の高付加価値化、そして関係人口の創出を柱とした取組みで能登林業の創造的復興が進むよう活動を始めています。

所在地:〒927-0023 石川県鳳珠郡穴水町字麦ケ浦17字5番地
代表理事組合長 亀井 順一郎
Webサイト:
https://notomori.net/
一般社団法人more trees
more trees(モア・トゥリーズ)は、音楽家 坂本龍一が創立し、建築家 隈研吾が代表を務める森林保全団体です。国内外25か所以上の地域で進める森の保全活動、国産材を活用した商品の企画・開発、イベントを通じた森の情報や魅力の発信など、「都市と森をつなぐ」をキーワードにさまざまな取り組みを行っています。

所在地:107-0052 東京都港区赤坂4-7-7 H&K赤坂レジデンス201
代表理事:隈研吾
webサイト:
https://www.more-trees.org/
アテ林業・能登ヒバを活かした能登の創造的復興プラットフォーム(ATE-NET)
能登森林組合と石川県木材産業振興協会が中長期的な視点で「アテ林業」の持続化や「能登ヒバ」の高付加価値化、能登の関係人口の創出等に向けたバリューチェーンを共創するため設置したプラットフォーム。現在、約40の域内外のサプライヤーや企業・団体等が「能登ヒバ サポーター」として登録し、能登地域の事業者との共創取組を進めています。

所在地:〒920-0211 石川県金沢市湊2丁目118番地15 公益社団法人石川県木材産業振興協会内
Webサイト:
https://ate-net.jp/