金沢で「植物工場フォーラム」-未来型の農業生産システムを紹介

参加者を前に、植物工場の可能性について講演する講師

参加者を前に、植物工場の可能性について講演する講師

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 野菜や穀物の通年栽培や24時間出荷を可能とする未来型農業生産システムを紹介する「植物工場フォーラムin 金沢」が2月23日、金沢都ホテル(金沢市此花町)で開催された。

植物工場のモデル施設

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 植物工場は、人工光などを利用し、温度、湿度、二酸化炭素が制御された最適条件の下で、作物を周年生産するシステムのことで、どの地域であっても天候に左右されることなく、安定的に作物を供給できる。露地やハウスでの栽培と比べて、設置・運営コストが高いことが難点で、県内にはまだないが、全国では約50カ所が稼働している。東京では店舗横に同工場を併設し、客にもぎたての野菜を提供しようと計画する飲食店もあるという。

 同フォーラムは、冬の日照時間が短い北陸地域での野菜の安定供給に向けて、同システムを見てもらおうと異業種参入を考える石川、富山両県の建築業者や飲食店経営者、農業従事者らに向けて企画。中部経済産業局と北陸農政局、中部地域農商工連携協議会が共催、石川県と富山県が後援した。

 丸紅経済研究所の所長柴田明夫さんが「ひっ迫する世界の食糧需給と植物工場の可能性」と題して講演し、「世界の食糧マーケットが不安定になる中で、植物工場は大きな可能性を秘めている」と述べた。また、静岡大農学部野菜園芸学分野の糠谷明教授は、露地栽培の約20倍の生産効率を期待できると説明した。

 金融機関退職後に事業を始め、東京や大阪、神戸、富山のレストランに野菜などを販売している「みらくるグリーン」(大阪府岸和田市)代表の五唐秀昭さんは「まず、どこをターゲットにするかを考えることが必要」と、販路開拓に向けた戦略の必要性を語った。

 参加者の中には具体的な導入計画を持っている事業者もいる。3月に一般社団法人を設立して、授産施設を開設する予定というコンサルティング業の杉野さんは「施設内に設置し、知的障害者や身体障害者、内臓疾患を持っている方に野菜を作ってもらおうと考えている」と話す。

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