金沢・湯涌温泉で「氷室の仕込み」-市民・観光客も伝統行事に参加

金沢・湯涌温泉で開催された伝統行事「氷室の仕込み」

金沢・湯涌温泉で開催された伝統行事「氷室の仕込み」

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 金沢市郊外の湯涌(ゆわく)温泉で1月31日、温泉地内の薬師寺境内にあるかやぶきの氷室小屋に雪を詰める伝統行事「氷室の仕込み」が行われた。

湯涌薬師寺住職がお清めの儀を執り行う様子

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 同イベントは、加賀藩で冬に雪を貯蔵しておき、夏に切り出して江戸の将軍家に献上していた故事にちなむもの。湯涌地区では昭和30年ごろまで各地区に氷室小屋と呼ばれる雪の貯蔵施設があったが、冷凍技術の発展などから姿を消した。湯涌温泉観光協会同協会では1986(昭和61)年に薬師寺境内に氷室小屋を設置し、雪詰めの伝統行事を復活させた。

 ここ数年は暖冬傾向から雪の確保が関係者らの悩みとなっていたが、今年は積雪量が多かったことから雪詰め作業に十分な量となった。

 当日は湯涌薬師寺住職がお清めの儀を執り行った後、地元住民や観光客らが参加して、氷室小屋に雪を詰め込んだ。「雪かきもしたことがない」という観光客も雪詰めに初挑戦。大きなスコップを使って慣れない手つきで雪を運びながらも笑顔を見せていた。

 薬師寺からほど近い湯涌夢二館前広場では、太鼓演奏や、めった汁、氷室まんじゅうも販売するなど、訪れた人々は伝統的な行事を満喫した。

 詰め込んだ雪は、6月30日の「氷室開き」で切り出される。

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