金沢に「限界集落」産の自然食レストラン-住民と交流深め開業を決意

看板代わりに立つ竹に「竹の四季」と店名が彫られている

看板代わりに立つ竹に「竹の四季」と店名が彫られている

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 金沢市の繁華街である片町に3月1日、自然食レストラン&カフェ「竹の四季」(金沢市片町2、TEL 076-260-1178)がオープンする。2月14日・15日の2日間のみプレオープンし、関係者や地元客でにぎわった。

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 同店は片町スクランブル交差点から徒歩2分の場所にある。店舗面積は約27平方メートル。
カウンター席だけのこぢんまりとした店内は、ドアが開くとすぐにスタッフの笑顔が見える。アンティークの茶だんすなども置かれた和の落ち着いた雰囲気が特徴。

 目玉は、金沢市の山間部にある内川地区から毎朝直送される無農薬の有機栽培野菜を使った料理。同地区の農家と連携し、業務用のバラエティー豊かな品種の作付けを依頼しているという。同地区での野菜の端境期(はざかいき)は、既存のオーガニック食品の仕入れルートなどでまかなう予定で、「片町界隈で自然食の専門店はほかにない」(同店)という。

 内川地区は過疎と高齢化に悩む、わずか10軒の集落。「内川のおばあちゃん方が栽培した野菜をこの店で心を込めて料理し、たくさんの方に食べてもらうことで、山と町をつなぐ『輪』をつくりたい」と話すのは、同店を切り盛りする秋元道子さん。タケノコの特産地でもある同地区の竹を使って竹チップを作り、エネルギーを循環させる事業に取り組むNPO法人「39(サンキュー)アース」のメンバーでもある。NPOの活動を通して同地区の住民と交流を深める中、何か直接、村の元気につながることをしたいと飲食店の出店に踏み切ったといい、飲食店経営の経験はないが、NPOのメンバーや知人の応援を得ながら、店づくりとメニュー開発を進めてきた。

 同店は、観光エリアとなる長町武家屋敷からのアクセスも良く、地元客だけでなく観光客のニーズも見込んでおり、営業の主力はランチタイム。一汁三菜のランチ(1,000円)を基本に、来店客の要望によって一汁二菜、一汁一菜へのアレンジも可能。手づくりスイーツとドリンクのセットも用意する。秋元さんは「野菜の朝市を開いたり、農家のおばあちゃんを講師に招いて伝統食の講習会を開いたりすることも考えている」と意欲を見せる。

 3月中の営業時間は11時30分~16時。月曜・火曜定休。駐車場は2台分を用意。近隣にコインパーキングがある。

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