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金沢市内各所にアート・ベンチ デジタル技術活用し桜の古木を再利用

設置されたアート・ベンチ(金沢市老舗記念館前)

設置されたアート・ベンチ(金沢市老舗記念館前)

 美術館「KAMU kanazawa(カム・カナザワ)」(金沢市広坂1)と建築会社「家元」(問屋町1)が8月28日、共同で金沢市内4カ所にアート・ベンチを設置した。

設置されたアート・ベンチ

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 同館が展開している屋外アートプロジェクト「TOWN hack(タウンハック)」の一環で企画。ベンチを設置するのは金沢市老舗記念館(長町2)前、長町緑地(同)内、鞍月用水グリーンパーク(高岡町)内、家元本社前の4カ所で、いずれも自由に座ることができる。プロジェクトは3年の計画で、毎年異なる建築家にデザインを依頼し、制作、設置する。1 年目は2027年5月に始まる金沢市主催の「金沢まちなか芸術祭」のプレイベントとしても位置付け、市から設置場所などの協力を得た。

 初年となる今回、アート・ベンチをデザイン・制作したのは建築設計事務所「VUILD(ビルド)」(神奈川県厚木市)を経営する建築家の秋吉浩気さん。材料には寿命を迎えた街路樹のソメイヨシノを選び、3Dスキャンで複雑な形状をデジタル化して設計。ロボットにチェーンソーを取り付けて自動で切削加工した。木のこぶや節、割れなどを自然のままに生かしたデザインで、赤茶色のコーティングは金沢の街並みや大樋焼などの工芸品からイメージしたという。

 秋吉さんは「立派な桜の木が伐採され捨てられていくことに疑問を持ち、新たな価値を創出できないかと考えた。複雑で加工しづらい材料をユニークな個性と捉え、敬意を込めてベンチとして再利用した。将来的にAIを活用して、木の形状に合わせて設計から制作まで自動でできるようにしたい」と話す。

 「KAMU kanazawa」の林田堅太郎館長は「桜の木の持つ歴史感と、ポリゴン形状の未来感の組み合わせがマッチし、街の風景にも合っていると感じた。今回は美術館単独のプロジェクトではなく、市民と企業が関わり合うことで循環が生まれるように計画した。金沢の文化的価値が高まれば」と話す。今後はベンチをアートピースとして、家元からの一般販売を検討しているという。

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