
「城と庭の公開講座『兼六園の四季の彩り』~木々の緑と花を訪ねて~」が3月15日、石川県立美術館(金沢市出羽町)ホールで行われた。
主催は「金沢城・兼六園研究会」。金沢市の「協働のまちづくりチャレンジ事業」に採択された事業で、兼六園の樹木や草花について調べてきたことを市民に伝えることを目的に実施。当日は150人ほどがホールを埋めた。
同会副会長の片岸恵治さんが講師として登壇し、園内の桜、コブシ、藤、ツツジ、サンザシ、カキツバタなど春から初夏にかけて咲く花を中心に、自身で撮影した写真で紹介しながら、花の特徴や由来、歴史、植えてある場所などを解説した。万葉集の歌や枕草子に登場する花の話を交えた説明も。
5月に白い花を付けるエゴノキは和傘の骨を支える「ロクロ」と呼ばれる重要な部品に使われているという話や、園内の桜にもさまざまな樹種があり、名前が付けられた「特別名木」に認定されているものは近年1本が枯死して5本になってしまったという説明もあり、参加者の関心を集めた。
片岸さんは「春は特に兼六園が美しい季節。名木だけでなく足元の植物にも目を向けて巡ってみてほしい」と話す。