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金沢学生のまち市民交流館でリノベーションまちづくりフォーラム

会場の様子

会場の様子

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 金沢市市街地再生課が1月28日、金沢学生のまち市民交流館(金沢市片町2)で「リノベーションまちづくりフォーラム」を開いた。

フォーラムの様子

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 登壇した「まめくらし」社長の青木純さんは、コミュニティーを重視した賃貸住宅のプロデュースを行っている。建物の価値が新築から年々減っていくことに疑問を感じ、2014(平成26)年「育つ賃貸住宅」 をコンセプトに住人同士のつながりを重視した「青豆ハウス」(東京都練馬区)を建てた。実際そこに住んだという青木さんは、祭りを運営したり子どもと大人が話せる場をつくったりと、住人の間でコミュニケーションが生まれる仕掛けを考えて実践に取り組んだ。ステイホームを強いられたコロナ禍には住人同士で助け合える価値を実感し、災害時などにも機能することを確信したという。

 青木さんは2016(平成28)年、当時スラム化していた「南池袋公園」(東京都豊島区)を芝生の明るい公園にして屋台を置いたり、人々が集まるイベントを企画してにぎわいを創出したほか、近隣にあるビル街の歩道を「まちなかリビング」を目指して照明やベンチを変更したり、給排水設備や電源を仕組んで飲食の屋台を置けるようにしたりするなど、地元のコミュニティーが自由に使える仕組みを考案。閉じこもりがちな高齢者の外出を促すなどの効果もあったという。「共感する人を増やしていくと行政も動き、良いスパイラルが生まれる。こういった事例が金沢市のまちづくりの役に立てば」と話す。

 金沢生まれという登壇者の岩本歩弓さんは、金沢の工芸品や雑貨を展示販売する「乙女の金沢展」を全国各地で行っている。2011(平成23)年には金沢市の中心部にある「しいのき緑地」が人通りが少なくさみしいため、にぎわいを作りたいとの相談を金沢市から受け、野外イベント「春ららら市」を企画。個人商店やクラフト作家の作品を中心に販売するテントを並べた。今では飲食店も加わって観光客も来場する大きなイベントに成長し、夏や秋などにもイベントを開くようになったという。岩本さんは「住人と観光客を分けて考えていない。金沢に住んでいても意外と気づかない事や物も多いはず。金沢の町を歩き回って面白いものを見つけ紹介している」と話す。「金沢は再開発でどこにでもあるようなビルだらけの町にならないでほしい」とも。

 登壇した2人を交えたトークセッションでは、「誰にも受け入れられるようにと提案するものは均質化して魅力がなくなる。共感されることを重視したほうが魅力的になり、良さが伝わりやすいのでは」との意見が挙げられた。

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