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石川県立図書館で企画展「発酵と暮らし」 地元に根付く発酵文化を紹介

木おけ型のオブジェと展示コーナー

木おけ型のオブジェと展示コーナー

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 企画展「発酵と暮らし~石川の海・山・技~」が現在、石川県立図書館(金沢市小立野2、TEL 076-223-9565)2階の企画展示コーナーで開催されている。

石川県立図書館で開催中の企画展「発酵と暮らし~石川の海・山・技~」

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 東京で発酵に関する展示を手がけた「ギャラリーエークワッド」(東京都江東区)や、発酵に必要な微生物を研究する石川県立大学の小柳喬教授などの協力を得て、発酵の仕組みや発酵食についての知識を広め、石川の魅力を再発見してもらおうという企画展。企画展示コーナーの中心に置いたしょうゆを発酵させる際に使う木おけ型のオブジェ内に「ヤマト醤油味噌(しょうゆみそ)」が提供した一斗樽(いっとだる)の現物などを展示する。夏休み中も展示期間となるためオブジェ内には子どもや家族連れなどをターゲットに顔はめパネルも設置した。

 解説パネルでは、北前船がもたらした石川の発酵食文化や大野地区で製造される「大野醤油」の歴史、しょうゆやみその種類や地域性の違いを伝える日本列島マップなどを紹介する。

 同館の収蔵品も展示する。江戸時代の紙広告として配布された酒やしょうゆなどの「金沢の引札」や、石川県内で約200年前に執筆され、当時の発酵食の製造方法や人々の暮らしを伝える書物など。デジタルアーカイブ「SHOSHO ISHIKAWA」でも公開している。

 企画を担当した司書の上野菜子さんは「図書館ならではの展示方法として、解説パネルのすぐ下には内容に合わせてさらに知識を深められる本をセレクトして並べた。発酵食は身近な物として親しまれてはいるが、大野がしょうゆの五大名産地の一つに数えられていることなど、地元の人にもあまり知られていないことは多い。石川県の発酵食文化はすごいと伝える内容」と話す。

 観覧無料。10月14日まで。

 発酵食を扱う地元企業を招いての関連イベントも開く。7月13日には、酒蔵「福光屋」(石引2)と小柳教授のトークイベント「菌のすごさを教えて!」を開催。8月3日・17日には、「大野?油醸造協業組合」(大野町4)の濱本康太さんによる小学生対象の「しょうゆもの知り博士の出前授業」を行う。

 同図書館の開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は18時まで)。月曜休館(祝日の場合は火曜)。

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