4月に新校舎への移転を控える中央小学校(金沢市長町)の児童426人が3月22日、校舎お別れを記念した「バルーンリリース」を行った。
コロナ禍で行事の縮小や中止が相次ぐ中、校舎への感謝の気持ちを伝えながら「子どもたちに楽しい思い出づくりをしてほしい」と、育友会の保護者らが企画した。風船は環境に害のない土に溶ける素材でできたものを使用。授業の中で児童は自然の大切さをあらためて学び、「SDGs」達成への意識を高めて当日を迎えた。
校庭に集まった児童らを前に、橘陽子校長は「35年にわたり、思い出が詰まった学校。最後に感謝の気持ちと夢や希望を乗せて風船を飛ばしましょう」とあいさつ。児童は「おすし屋さんになってみんなを元気にしたい」「お医者さんになりたい」「コロナが収まりますように」など、思い思いの夢や願いが書かれたメッセージカード付きの風船を、カウントダウンに合わせて一斉に放った。色とりどりの風船が空へと昇っていくと、児童からは大きな拍手と歓声が上がった。5年生の西尾英玲奈さんは「イベントがたくさん中止になったが、最後にみんなで思い出がつくれて良かった」と話した。
中央小学校は長町武家屋敷などの観光名所にも近く、金沢市内中心部に位置している。1987(昭和62)年に、長町、長土塀、松ヶ枝町、芳斉町の4つの小学校が統合し開校。4月から玉川町の新校舎に移転する。現在の校舎は改修後、小将町中学校(金沢市小将町)が移転し、2023年4月から供用予定。