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徳田秋声ゆかりの武家屋敷、リノベで町家ホテルに 蔵カフェも併設

町家ホテルや蔵カフェを展開する「町の踊場」

町家ホテルや蔵カフェを展開する「町の踊場」

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本文を 築150年の武家屋敷を改修した町家ホテル「町の踊場」(金沢市瓢箪町、TEL 076-208-3676)が10月10日、本願寺金沢西別院近くに開業した。

【VRで読む】築150年の武家屋敷をリノベーションした「町の踊場」

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 建物は金沢三文豪の一人とされる徳田秋声の異母兄弟・正田順太郎さんの旧宅で、秋声の小説「町の踊場」にも登場する。2014(平成26)年に「セカンドセンス」(同)が取得しシェアスペースや一棟貸しホテルとして運営してきたが、全面的にリノベーションし新たなスタートを切る。

 コンセプトは「ゆっくりと時間がとける陽(ひ)だまり」。床暖房や二重サッシを取り入れたり水回りを一新したりと、古い建物の不便さや寒暖差への対策を強化する一方で、町屋の趣や雰囲気を残したまま現代のホテルの利便性や快適さを追求。「町家ホテル」というジャンルを新たに掲げる。

 客室は、140坪の庭園が一望できる「雲のゆくへ」(大人1人1泊=3万4,364円~)と、茶室だった空間を寝室に利用した「蒼(あお)白い月」(同=3万1,091円~)の2つ。いずれも玄関やトイレ、金沢無量寺温泉から運んだ源泉を使う温泉が楽しめる浴室を備え、プライベートにも配慮する。

 14日には、敷地内の蔵を改修し、正田家所蔵の蓄音機でレコードが楽しめる「蔵カフェ」もオープン。カウンター3席のほかテーブル席を1階に6席、吹き抜けとなった2階に6席設け、秋声が執筆などで滞在したとされる当時の名残を感じてもらえるように工夫した。

 蔵カフェでは、宿泊客向けに地産地消にこだわったという朝食を提供。ディナーには、徒歩圏内である金澤表参道商店街の和食店「菜喰 安心院(さいじきあじむ)」(安江町)の料理などを提供する。コーヒーは10時間かけて低温で水出しし、富山県の「水の時計」がブレンドした豆と六甲山近くを水源とする水「神戸ウオーター」を使う。カフェは宿泊客以外も利用できる。

 同社社長の佐原明日子さんは「浅野川や金沢駅、ひがし茶屋街からも近い地の利と、武家屋敷が持つパワーやポテンシャルを広く共有したいと考えてきた。落ち着いた空間でのんびり充電し、明日からの糧にしてもらえれば。観光客はもちろん、アニメなど新しいジャンルの文豪ファンや地元にも愛される活気ある場所にしていきたい」と話す。

 チェックイン時刻は15時。チェックアウト時刻は11時。蔵カフェの営業時間は11時~15時。

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