金沢の伝統工芸品「加賀毛針」を製造販売する「目細八郎兵衛商店」(金沢市安江町)が金沢エムザ1階の黒門小路に工芸のセレクトショップ「御細工所」をオープンして1カ月がたった。
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1575年の創業以来製造を続ける「めぼそ針」や伝統工芸品「加賀毛針」の技を生かしたフェザーアクセサリーを始め、県内で活動する作家やブランドによる工芸品600点ほどが並ぶ店内。同社が運営する「ギャラリーしらいと」(彦三町1)などで培ったノウハウを生かしながら「毎日使ってもらえるもの」をコンセプトに掲げ、手に取りやすい価格帯でセレクトしているという。
御細工所を社長の目細勇治さんは「武具類の管理や修復をしていた加賀藩の役所の一つで、高い技術を生かして多くの工芸品を生み出してきた作業所」と説明。同店では、作家らの技術を新しい商品作りに昇華させるプロデュースも行い、「現代の御細工所」としてオリジナルの新商品を広く展開していく予定という。
新商品の第1弾として、ゆびぬき作家の森本道恵さんと商品化した指輪が「加賀ゆびぬきリング」(9,900円)。カラフルな配色で制作してきた作家の糸のつや出し技術を高く評価した目細さんが、1色の糸での編み上げを提案し、幅も小さくしたところ、光の加減や見る角度で模様がキラキラと浮かび上がる指輪に仕上がった。オリジナルの九谷焼の器では、大きさや柄など、どんな料理にも使い勝手のよい飽きの来ないデザインにこだわったという。
目細さんは「金沢にたくさんある工芸品を扱うギャラリーやショップがあまり扱わなかった商品や地元の企業が作る逸品など知られざる高品質なクラフトを発信していきたい」と話す。