のどぐろ料理を提供する「のど黒めし本舗 いたる」(金沢市片町2、TEL 076-233-1147)が、香林坊に移転して1カ月がたった。
【VRで読む】「のど黒めし本舗 いたる」香林坊に移転 手作り和菓子も提供
同店は、新鮮な魚介類や加賀野菜など地物にこだわる居酒屋「酒と人情料理 いたる」の3号店として、北陸新幹線の開業と同時に店を構えた。石川を代表する高級魚「のどぐろ」をたっぷり乗せ香ばしく炙(あぶ)った、看板メニューの「のど黒めし」(3,300円)が話題を呼び、開店から6年となる現在も行列ができる人気店となっている。
いたる香林坊店隣りの昭和初期の建物をリノベーションして、2月23日に移転。できるだけ多くの客に入ってもらえるよう、席数を45席に増やし、ゆったりと配置した。店主の石黒格さんの実家が営んでいた民宿のように、疲れた体を癒やし、くつろいでもらえる旅籠(はたご)のような店にしたいと、父親の形見である井波彫刻や、らんま、絵画をあちこちにしつらえた。コロナ対策として、最新の換気システムを導入。全席にタブレット端末を置き、注文から支払いまでスムーズに行えるようにしたところ、注文から提供までの時間が短くなり、待ち時間の緩和にもつながったという。
「のど黒めし」は、ひつまぶしのように最初はそのまま、次にネギやワサビなどの薬味を乗せ、最後はのどぐろの濃厚なダシをかけて食べるスタイル。前日までの予約で、テークアウトにも対応する。
ショッピングの合間に休憩を兼ねて楽しんでもらえるようにと、移転を機に地元客にも喜んでもらえるメニュー作りにも取り組んだ。店内で手作りする「梅つつみ」(330円)は、地元の酒造で日本酒に漬け込んだ梅酒の梅の実を利用したもの。梅は炊き直してアルコールを抜き、甘酸っぱく仕上げたという。
石黒さんは「移転を新たな挑戦の機会にしたい。のど黒めしを地元の方にもたくさん味わっていただき、石川の新しいローカルフードとして親しんでもらえる存在になれば」と話す。
営業時間は、12時~14時30分、17時30分~20時30分。日曜定休(祝日の場合は月曜)。