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金沢21美で「村上慧 移住を生活する」展 発泡スチロールの家を担ぎ歩いた全記録

「移住を生活する」プロジェクトを行う村上慧さん

「移住を生活する」プロジェクトを行う村上慧さん

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 「村上慧 移住を生活する」展が10月17日、「金沢21世紀美術館」(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で始まった。

【VRで読む】金沢21世紀美術館で「村上慧 移住を生活する」展が開催

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 村上慧さんは東日本大震災を東京都内で経験したことをきっかけに、自身の体験や被災地の様子から土地や家を持つことや住み方に疑問を抱いたという。2014(平成26)年4月、自作の発泡スチロールの家を担ぎ、行く先々で土地の所有者と交渉し敷地を借りながら「住むこと」や「生きること」を模索する「移住を生活する」プロジェクトを開始した。

 プロジェクト開始後、石川県には同年秋に訪れ金沢21世紀美術館や白山市、加賀市の民家の敷地を借りて滞在。日本各地や韓国へ渡り、「東アジア文化都市2018金沢」で2代目の家を寺町エリアで作品として展示後、同館へ収蔵した。現在も3代目の家とともにプロジェクトは続いており、今回はこれまでの全記録を紹介する過去最大規模の展覧会として開く。

 同展では村上さんが制作した3つの発泡スチロールの家、日本各地の「住所を持った家」のドローイング420点以上や写真、移住生活で出会った人々との交流をつづった日記、家を背負って歩いた軌跡をGoogle Earthでたどったものを展示する。

 会期中は住民票を金沢市に異動し、まさに「移住を生活する」村上さん。地域や来館者との交流を目指し、1か月に2回ほどのテーブルトークやワークショップなども予定する。11月後半には家を担いで能登半島一周も計画しており、その様子も含めて作品は随時入れ替える可能性もあるという。

 村上さんは「震災がきっかけで既存の家や電気、ガスなどのライフラインに疑問を感じ、生き方を変えなくてはと始めたプロジェクトだった。今年に入り新型コロナウイルスの影響で移動が難しくなり、都内にとどまって野菜を作るなどいつもとは違う生活をしてさらに心境に変化が生まれたことも、作品につなげていきたい。人間が家に住む、生活するということは心臓が動いていることと同じくらい当たり前のこと。しかし、もっと自分で考えて能動的に動いていかなくてはいけないというメッセージを同展に込めている」と話す。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜と11月24日、12月29日~1月1日、1月12日休場。入場無料。3月7日まで。

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