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金沢工大「軽トラハウス」完成 地域密着型の新しい旅スタイルを提案

完成を祝う金沢工大の宮下智裕准教授と学生、地域の人たち

完成を祝う金沢工大の宮下智裕准教授と学生、地域の人たち

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 金沢工業大学(野々市市扇が丘)建築学部の学生が製作した「軽トラハウス」が完成し、9月12日に一里野温泉「白山癒しの湯 天領」(白山市尾添)で完成セレモニーが開かれた。

【VRで読む】一里野温泉で披露された「軽トラハウス」 地域密着型の新しい旅スタイルを提案

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 金沢工業大学建築学部の宮下智裕准教授は、トラックの荷台などに小屋を自作し、移動しながら生活する「モバイルハウス」の人気が高まっていることを受け、設備投資を最小限に抑えながら、車中泊スペースを利用して自由に旅ができるホテルを考案。通称「軽トラハウス」として、キャンピングカーや車中泊スペースのシェアサービスを展開するカーステイ(東京都新宿区)との共同プロジェクトを行った。

 第1号として完成した「軽トラハウス」は、幅1.3メートル、奥行き2.5メートル、高さ2.5メートルで、定員は2人。壁面を下ろすと縁側になる仕組みで、収納や照明、排水システムも設けられ、狭いながらも快適に過ごせるように工夫されている。

 側面には収納式の階段があり、車の上で星を眺めながら眠ることも可能だという。必要に応じてテントもつけられるようになっている。

 プロジェクトでは地域性を重視、車中泊する土地の魅力や住む人たちの温かさに触れるきっかけになってほしいと、地元のホテルや企業なども協力。地元産の木の板を、白山麓に自生する植物を使い草木染めの手法で着色。パッチワーク風に貼り付けるなど、デザインにもこだわった。過疎化が進む地域への誘客にも期待されており、入浴やトイレなどは近隣の施設等を利用するため、住民との交流も増え、地域密着型の旅ができることも魅力の一つ。

 宮下准教授は「研究室にとって動く建築物は初めての取り組みで、活用法についても学生たちと一緒にアイディアをたくさん詰め込んだ。多くの人に軽トラハウスを使ってもらい、行く先々でその場所と一体になって楽しんでもらえれば」と話す。

 運営は地元の自動車整備会社「安田自動車」(白山市瀬戸)が担当し、10月からカーステイのサイト上で予約を受け付ける。レンタルは保険料込みで1泊8,000円程度の予定。

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