金沢駅前の石川県立音楽堂(金沢市昭和町、TEL 076-232-8113)で、「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2020 秋の陣」のオープニングコンサートが9月6日に行われた。
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例年は春の大型連休をメインに行われているが新型コロナの影響で中止となったため、一部の出演者を秋にも招き、再構成して大規模に開催することにした。県立音楽堂のほか、今年オープンした金沢港クルーズターミナルや、鼠多門(ねずみたもん)、武家屋敷街や小松市の那谷寺などの名所地などを会場に、12月まで約50公演が予定されている。
感染防止対策として席数を半分に減らし、早めの来場を呼び掛けたほか、マスク・検温・消毒の徹底、チケットのもぎりを自分で行い、公演後も順番に退場するよう誘導するなど、ウィズコロナ下での鑑賞マナーを啓発した。
会場は満席となり、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と石川県箏曲連盟による、ヴィヴァルディ「四季」から「秋」が演奏され、金沢らしい雰囲気でオープニングを飾った。今年生誕250年となるベートーヴェンの交響曲「運命」や、調理道具を楽器として演奏する「キッチン・コンチェルト」など多彩なナンバーが、OEK常任客演指揮者の川瀬賢太郎さんの指揮で楽しく華やかに披露された。公演の様子はOEKのユーチューブ公式チャンネルで、今月下旬から配信される予定。
同音楽祭実行委員会会長の池辺晋一郎さんは「文化の意義を理解する金沢だからこそ、逆境に負けず秋公演として開催できた。音楽を通して心を通わせ合うことができるのが、音楽の素晴らしさであり、今だからこそその力が求められている。来年の春の開催にもつなげられるよう、多くの人にこの音楽祭を通して感動を共有してもらいたい」と語る。
12月までの約4か月間、県立音楽堂を中心に北陸3県の各地で多彩な公演が行われる。