金沢で「無名の彫刻展」-市民64人が好きな石で自由に作品づくり

「無名の彫刻家展」の様子

「無名の彫刻家展」の様子

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 「石川の石を彫ろう2008」の参加者による「無名の彫刻家展2008」が10月20~26日、金沢市民芸術村で開催された。今年11年目で出品者は64人、作品は115点に上る。

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 同プロジェクトは金沢市民芸術村アート工房アクションプランのひとつとして、1998年にスタート。金沢芸術創造財団と同芸術村など行政と、講師を務める彫刻家らのバックアップのもと、同工房ディレクター渡辺秀亮さんのプロデュースにより実現した。「いつでも、誰でも、自由に」を基本理念に、毎日24時間、好きな石で自由に作品を制作することができ、参加者は小学生から80歳を越える年配者まで幅広い。

 毎年5月~10月の日曜には彫刻家有志によるアドバイスを受けながら、猫や植木鉢ばかり彫る人、自宅庭の燈篭(とうろう)を彫る人、十二支を順番に彫る人、抽象的なオブジェを彫る人など自由な制作活動を続けている。初めに石を3,000円で購入するだけで道具などはすべて借りられ、自分のペースで制作を進めることができるとあり、「自然の中で、石を彫っていると無心になれてリフレッシュできる」(参加者)と、制作活動を楽しんでいる。

 素材として使うのは「戸室石」「日華石」「滝ケ原石」など石川県産の石。黄土色や灰色の「日華石」は小松市で採掘され、比較的軟らかいため初心者向けという。「滝ケ原石」は目が細かく耐久性があるため、昔から蔵・浴室や建物の土台の建築材として用いられてきた。「戸室石」は金沢市の戸室山キゴ山周辺で採掘される安山岩で、金沢城の築城にも使われていることでも有名。耐火性、耐凍結性があり庭石や墓石、燈篭(とうろう)などにも使用される。

 参加者は制作の経験や題材により、彫刻家のアドバイスを受けながら石の種類を選び、もともと何の変哲もない石に粘り強く向き合い、制作し続けた参加者の達成感や楽しさ、うれしさがあふれる、生き生きとしたアートに生まれ変わっている。

 期間中の来場者は約600人を数えた。

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