金沢市にある営業自粛中のパチンコ店「DSGメガワールド」(金沢市沖町)の駐車場で、県内の飲食店が共同で弁当などを販売する「元気回復ドライブスルー」が、4月24日に始まった。
新型コロナウイルスの影響で連休も外出を控える動きの中、ドライブスルー方式でほとんど人と接触することなく、レストランの味を詰め込んだお弁当を購入できるとあって、連日営業時間前から多くの車が列をなしている。参加店舗は30以上、オムライスやリゾット、ステーキ、おでん、刺し身の盛り合わせやオードブルに至るまで、多種多様なメニューがそろう。料金の受け渡しをスムーズにするため、1,000円、2,000円、3,000円の値段設定にした。保冷車を用意し衛生管理を徹底するほか、交通誘導などの人件費もかかり、利益はほとんど出ず飲食店の救済にはならないが、主催する日本司厨士協会石川県本部会長で金沢市のフランス料理店「プレミナンス」を経営する川本紀男さんは「家族で食事にも行きづらい中、たくさんのお弁当の中から食べたいものを選べる楽しみを提供したかった」と話す。
さらに、新型コロナウイルスが飲食業界に与えた打撃について「このピンチをどう乗り切るか、これからの経営にどう生かしていくかが飲食店に問われている。店の外で販売するにはさまざまな資格や許可が必要になり、自分の思いだけで動くと違法になることもある。このドライブスルーは、店の後継者たちが中心となって動いており、多くの学びを得る場となっている。コロナ禍を飲食業界のイノベーションのきっかけにしたい」と語り、前向きな姿勢を示す。
営業時間は11時~17時で、品物がなくなり次第終了となる。5月6日までの予定。