九谷焼を世界に発信する総合芸術祭「KUTANism(クタニズム)」が現在、小松市と能美市で開催されている。
北陸新幹線が福井県まで延伸する2023年に向けて九谷焼の魅力を広く発信しようと、九谷焼の産地である小松市と能美市が共同で初開催する。9月6日に始まり、展覧会やシンポジウム、ガイドツアーなどさまざまな催しが行われている。
展覧会「九谷の現在(いま)」では、2つの異なるコンセプトの展示で九谷焼の現在の様子を伝える。小松に今年オープンした複合型九谷焼創作工房「九谷セラミック・ラボラトリー(セラボクタニ)」(小松市若杉町、TEL 0761-48-4235)では、「カラフル・オーナメント・オブジェ・クタニ」と題して、表現性を追求した21人の作家の作品を展示。小松市にぎわい交流部観光文化課の石立峻介さんは「既存の枠を打ち破るような個性的で可能性に満ちた作品がそろっている」と話す。開館時間は10時~17時。水曜休館。入館料は一般300円、高校生以下150円。
能美の「浅蔵五十吉美術館」(能美市泉台町南1、TEL 0761-58-6789)では、「名工選『NEXT九谷』展」として、現代九谷の名工たちが選んだ次世代を担う気鋭の作家43人の作品を展示。「カラフル・オーナメント・オブジェ・クタニが『表現する九谷』だとすると、こちらは『継承する九谷』。伝統や技術を受け継ぎながら、新しい価値創造に取り組む作家たちの姿を感じていただければ」と石立さん。開館時間は9時~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は一般430円、75歳以上320円、高校生以下無料。
期間中の土曜には同美術館とセラボクタニを起点に近隣の九谷焼の施設などを巡るガイドツアーも行う。開催時間は14時~16時。参加無料。定員は各回10人。予約不要。今後は10月5日に同美術館、12日にセラボクタニで行う。
石立さんは「作品をご覧になって『こんな九谷焼があるんだ』と驚く方もいらっしゃるが、九谷焼は表現の幅がどんどん広がっている。展覧会やガイドツアーを通して何か気付きを得てもらえたら。九谷焼のさらなる進化も楽しみにしていただきたい」と話す。
10月14日まで。