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伝統の味を守りたい 「金沢こんかこんか」創業者の娘と企業がプロジェクト

伝統の味を守りつつ、新たにブランディングを行う「金沢こんかこんか」

伝統の味を守りつつ、新たにブランディングを行う「金沢こんかこんか」

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 人出不足と高齢化の影響で消えかけた伝統の味を復活させようと、「こんかこんかプロジェクト」が金沢市内で立ち上がった。

町家を改修し、新たな製造拠点となる店舗の完成イメージ

 プロジェクトの中心となる「金沢こんかこんか」は、市内の「池田商店」(金沢市末広町)が金沢に伝わる「こんか漬け」を元に、オリジナル商品として販売するサバのぬか漬け。原材料は国産にこだわり、新鮮な食材と30年以上受け継ぐいりぬかなどを使う。全国から注文が来るほどの人気商品だったが、高齢化や人手不足などの問題を抱え、昨年冬に製造を中断していた。

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 販売中止後も問い合わせや存続の声が多く届いた「金沢こんかこんか」を守ろうと、創業者・池田由美子さんの娘・斉藤園さんが事業継承先を探し、東京に本社を置くブランディング会社「AMD 金沢オフィス」(中川除町)が名乗りを上げた。プロジェクトリーダーの中神遼さんは「クリエーティブによる社会貢献を目指し、全国で課題となっている後継者問題にも取り組んでいる。伝統食品だからという理由だけでは受け継いでいくことは難しいが、金沢こんかこんかは丹精を込めて受け継がれてきたぬかのストーリーや商品の味、品質の高さに魅力や可能性を感じた」と話す。

 同社はM&Aの形で「金沢こんかこんか」の事業を引き継ぎ、斉藤さんは雇用という形で、変わらぬ味を守り続けることに。「金沢こんかこんか」の新たな製造拠点を作り、多くの人により開かれた場所で商品を楽しんでもらうため、築100年以上の町家を製造所兼店舗として改築する資金を集めるクラウドファンディングに挑戦した。8月3日には目標金額を達成し、現在店舗オープンへの準備を進めている。

 中神さんは「M&A成立後に卸先へあいさつに回った際、『いつ入荷できるのか』『製造方法や素材は変えないでほしい』など、商品への期待や信頼を感じる声を多く頂いた。今までどおりの味をお届けすることを、最優先事項としている。若い社員からも商品に対して素直に『おいしい』という声が上がっており、若い層へのアプローチも積極的に展開していきたい。金沢だけでなく、全国の食卓に上がるようなスタンダードな商品に成長させていければ」と意気込む。

 商品の初出荷は年内を予定。