日比野克彦さんと野田秀樹さん、「舞台」を語るー金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館内の「舞台」で語る日比野さん(左)と野田さん(右)

金沢21世紀美術館内の「舞台」で語る日比野さん(左)と野田さん(右)

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 俳優・劇作家・演出家の野田秀樹さんが8月19~22日、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で来年公演予定の新作の創作活動の一環として公開ワークショップを行った。同館主催の日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式・meets NODA「But-a-I」の取り組みのひとつで、22日には、野田さんと日比野さんが同館展示室内の舞台セットで表現活動について語り合った。

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 同プロジェクトは、スウェーデンのストックホルム近代美術館の教育普及プログラム「ゾーン・モデルナ」をモデルとして金沢21世紀美術館で若者を対象に立ち上げられた「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」の第2弾。昨年度の第1弾では、日比野さんとボランティアスタッフらが同館の回りで朝顔を育てて種を収穫するプロジェクトなどを行った。

 野田さんをゲスト・アーティストに迎えた今回のプロジェクトは、アートと演劇が、野田さんと日比野さんそれぞれにとって「ホーム」であり「アウェー」であることから、各々の要素を取り入れることによる表現の広がりを目指している。4月に日比野さんが主導する長期ワークショップが始動し、受講生約30人は「Seeds Company」を結成したほか、ファッションブランド「C’s」を立ち上げた。

 5月31日には、尾鷲ヒノキの間伐材を利用した日比野さんの作品「But-a-I」(舞台)が同館展示室13に出現。同舞台には、日比野さんの新作「種の人」「種の船の人」が飾られている。同作品は、昨年度のプロジェクトで収穫した朝顔の種をテーマに、段ボールに毛糸の刺しゅうを施したもの。同舞台や新作を使い、観客(鑑賞者)を取り込みながら演劇空間を創作することが、プロジェクト全体の作品として位置づけられる。会期の最終日となる10月19日は「美術館的劇場空間作品」(日比野さん)の初日兼楽日となり、同プロジェクトの集大成が披露される。

 野田さんは2009年1月より2月にかけてシアターコクーン(東京都渋谷区)で上演される野田地図第14回公演「パイパー」を手がけており、多摩美術大学、金沢美術工芸大学、東京芸術大学の学生とSeeds Companyのメンバーが参加した今回のワークショップには同作品のエッセンスが取り入れられた。日比野さんは「野田さんを演劇ではない違うところに引っ張り出したかった。今回の公開ワークショップは奇跡の4日間で、中身の深いものになった」と話し、野田さんは「このヒノキ舞台の形を見てインスパイアされたシーンがある」と「アウェー」での収穫を明かした。

 野田さんは2009年に東京芸術劇場(東京都豊島区)の初代芸術監督に就任する予定で、今回制作された舞台セットを、同劇場の敷地内に設置する計画もある。

 展示室では日比野さんの新作を盛り込んだ舞台セットを鑑賞できるほか、同室で行われているワークショップを毎週土曜(14時~16時)に公開している。月曜と9月16日、10月14日閉場(9月15日、9月22日、10月13日は開場)。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。

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