金沢21世紀美術館、日比野克彦さんとアートプロジェクト始動

上:《「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」のためのスケッチ》
  日比野克彦 2006年 
下:金沢21世紀美術館外観
  写真提供:金沢21世紀美術館

上:《「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」のためのスケッチ》   日比野克彦 2006年  下:金沢21世紀美術館外観   写真提供:金沢21世紀美術館

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 ガラス張りの円形建築が特徴的な金沢21世紀美術館(金沢市広坂1)を、住民らが種から育てた朝顔がぐるりと取り囲む壮大なアートプロジェクト「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」が4月に始動する。

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 同プロジェクトは、同館が2007年度に実施する「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」の中心として展開する日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式の第1弾のプロジェクト。同プログラムは、スウェーデン・ストックホルム近代美術館の教育プログラム「ゾーン・モデルナ」をモデルにしており、現代アート参画の機会を通した若者支援をコンセプトにしている。

 プロジェクトには子どもから大人まで気軽に参加することができる。美術館の外周約350メートルを約2,000株の朝顔で覆い尽くすというひとつの共通イメージに向かって、参加者が種まきから苗の植え替え、種とりすべてを行う中で、自分自身を発見し、多様な人々と出会うことや、それぞれの参加者が新しいつながりを作り出していくことを目指す。種から芽を出した朝顔が花を咲かせ、枯れて種を残すまでをアートとして見せ、夏には透明な外壁の内外から満開の朝顔を見ることができる。

 「朝顔」は、日比野さんが2003年に越後妻有アートトリエンナーレに参加した際に見出した素材で、廃校となった小学校の壁面を朝顔で埋め尽くしたのが始まり。その後、水戸、岐阜、福岡でも朝顔プロジェクトを展開し、毎年種を残して翌年の各地のプロジェクトに引き継いでいるため、今年の朝顔は4代目となる。日比野さんが今までの活動で培ったネットワークをもとに、金沢を拠点として人や地域の交流の場を作り出すことも視野に入れている。今年個展を開催する熊本や鹿児島、以前の開催地の参加者との交流を促しながら、講座、ワークショップ、イベント、作品展示を展開する。キュレーターの平林恵さんによると、「船が集まる際に必要な灯台を金沢に作る」イメージだという。

 具体的には、同館プロジェクト工房で作品展示に先駆けて始動する教育普及プログラムの「DOCKYARD⇔SEED」(8月7日~2008年3月20日)、作家、「DOCKYARD⇔SEED」参加者、来館者の交流の場となり、参加型の作品が展示される「PIER⇔LEAF」(9月29日~2008年3月20日)、日比野さんの同プロジェクトのための新作を展示する「LIGHTHOUSE⇔FLOWER」(9月29日~2008年3月20日)を行う。

 日比野さんの積年の取り組みが更に大きく展開することや、金沢21世紀美術館のコンセプトのひとつ「まちに生き、市民とつくる参加交流型美術館」を具現化する壮大なプロジェクトに、大きな注目が集まっている。

金沢21世紀美術館

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