金沢21世紀美術館をぐるり取り囲む新たな「住人」2,000株

金沢21世紀美術館の周りに植えられた明後日朝顔の苗。写真は、水戸出身の朝顔

金沢21世紀美術館の周りに植えられた明後日朝顔の苗。写真は、水戸出身の朝顔

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 金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で進められている「明後日(あさって)朝顔プロジェクト21」の苗植えが5月18日に行われ、円周約350メートルの円形美術館を1,620本のロープと2,000株以上の朝顔の苗が取り囲んでいる。

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 このプロジェクトは、日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式の一環で、日比野さんが培ってきたネットワークやシステムをもとに、金沢という環境(ホーム)と、他人や未知の環境(アウェー)との行き来を通じて、参加者が自分を発見し、人と人、地域と地域の出会いや新しいつながりをつくり出していくのが狙い。子どもから大人までに幅広くなじみのある朝顔は、こうした出会いやつながりをつくるきっかけとなる「ツール」となる。

 苗植えでは、日比野さんの指導のもと、「明後日朝顔プロジェクト」を展開中の全国12地域から集まった苗約1,200株と金沢で育てられた苗約1,000株が、金沢市内の中学生やボランティア、全国から集まったボランティア、一般の参加者を含む約500人の手によって植えられた。株数の多さにおいて金沢が最大規模であり、全国からの苗が集結していることから、同美術館が全国の朝顔の情報・交流拠点としての役割を果たすことになる。

 ホームとアウェーの朝顔は交互に植えられ、区画ごとに1丁目から120丁目までの住所が設けられた。1丁目につきロープの本数に従って1番地から15番地までがあり、一本一本の苗が「住民」として扱われ、朝顔台帳で生育状態をチェックしていく。

 同美術館のキュレーター平林恵さんは「たくさんの情報が詰まった小さな種が、人の手によって運ばれ、育てられ、人と人、地域と地域の橋渡しをするところがこのプロジェクトの魅力。全国の人が大事に育ててくれた苗が金沢に集まったので、大事なお子さんをお預かりしている気持ちで、大切に育てていきたい」と話している。

 今後は、子どもたちが朝顔の絵日記を描くワークショップなどが開催される予定。同プロジェクトの会期は今年10月ごろまで。

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