金沢の「日本海藻食品研究所」(金沢市本江町)が1月25日、魚卵を一切使わない「数の子」に似た食材を開発した。
同研究所は以前から、海藻を使った「海藻めん」で、太さや固さ、食感などを調節してふかひれに似た食材などを作ってきた。今年に入って食品メーカーから「数の子のような食材が作れないか」と話があり、海藻めんの技術を応用して開発に取り掛かった。
数の子はニシンの卵を塩漬けなどにしたもの。同研究所は、酢に水を加えた凝固剤に海藻を元にした原料をスポイトで1粒ずつ垂らして魚卵のような食材を作り出し、これを型に入れて再度固めて「数の子もどき」を完成させた。
今回、同じ技術を用いて「子持ち昆布もどき」も開発。「子持ち昆布」は昆布と付着したニシンの卵巣を塩漬けにしたものだが、同研究所は「数の子もどき」の要領で魚卵部分を作り、間に昆布のペーストを挟んで仕上げた。
同研究所会長の白石良蔵さんは「卵の大きさや粒々感などリアルに出来上がった。病気などで魚卵を控えたい方、魚卵アレルギーの方、ビーガンの方などに食べてもらえたら」と話す。「大きさや形、味は自由に変えられるので、スイーツなどにも応用できるのではないか。可能性が広がる食材だと思う」とも。今後は、食品メーカーや一般消費者などへの技術提供に力を入れる。