兼六園隣の石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町1、TEL 076-262-2020)で7月22日、夏休みに向けたイベント「こども工芸修業 弟子求む!」が始まった。
【パノラマVR】伝統産業工芸館で開催中の「こども工芸修業 弟子求む!」
夏休みということもあり、同館初となる子どものための企画展を全館で行う。同館1階の展示室内には伝統工芸体験ができる「修行の小屋」を設置。箔(はく)貼りや蒔絵(まきえ)体験のできる「うるし」、加賀友禅染や加賀繍(かがぬい)が体験できる「布」、九谷ネイルや珠洲焼の動物作りなどができる「土」、ろくろに触れる「木」、「オヨヨ書林」(長町1)が提供する古雑誌を使ってスクラップブックを作る「本」や古九谷を鑑賞しスケッチする「皿」、飲食に関する技術を学ぶ「味」の7つの小屋を用意した。
それぞれの小屋で子どもたちは、週末は師匠(伝統工芸作家)に直接ものづくりを学び、平日は「ひとり修業」として説明を見ながら作品を制作する。出来上がった作品は、「師匠&弟子の店」で販売もする予定。「師匠風なりきりフォト」を撮影できるスペースやクイズなどもあり、遊び心あふれる展示となっている。
2階では小中学生が師匠の工房を訪ね、インタビューを行う模様を収めた「師匠にきく!」の上映や、師匠のお気に入りの品の展示と、その理由や大事にしている言葉などを聞いた「師匠のたからもの」のコーナーを設ける。通常休憩室となっている部屋では、カフェをオープン。師匠たちの製作したうつわとうるしのスプーンで提供するアイスなどを販売する。
企画を担当したのは「乙女の金沢展」などを手掛ける、キリ工芸「岩本清商店」の岩本歩弓さん。「ただ体験するだけではなく、蒔絵の図案を考えていく過程や、子どものころの作品など、作家さんのバックボーンが伺えるものを多数ちりばめた。インタビューなどからも、ものづくりの原点をじっくり見て聞いて、ゆっくり楽しんでもらいたい」と岩本さんは話す。
営業時間は9時~17時。第3木曜定休。入館料は小・中学生無料、2階有料ゾーンのみ大人=260円、希望者は別途体験料金=1,000円~5,000円が必要。8月30日まで。