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加賀藩前田家の菩提寺で仏前挙式 金澤ウエディング協同組合がプロデュース

本堂での結婚式の様子

本堂での結婚式の様子

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 加賀藩主前田家の菩提(ぼだい)寺「宝円寺」(金沢市宝町)で7月3日、「宝円寺の結婚式~華燭(かしょく)の儀」が行われ、モニターとして公募で選ばれたカップルが式を挙げた。

宝円寺での花嫁道中の様子

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 企画したのは、地域の観光資源を生かしたオーダーメードの結婚式をプロデュースする「金澤ウエディング協同組合」(古府)で、県中小企業団体中央会が支援した。これまでの企画では、「兼六園での茶婚式」が北陸新幹線開業後、県外のゲストを招く「金沢らしい結婚式」として人気が高いという。

 キリスト教式、人前式、神前式が主流の中、同組合では新しいスタイルとして仏前式に注目。戦国のおしどり夫婦として子宝にも恵まれた「利家とまつの寺」として親しまれる宝円寺は、本堂や庭の景観も素晴らしくハレの日を迎えるにあたりふさわしいと会場に決めた。釈迦(しゃか)がろうそく売りの少年と花売りの少女を仲立ちしたという仏教逸話にちなみ「華燭(かしょく)の儀」と銘打つ。

 フラワーコーディネーター、フォトグラファー、映像職人、キャンドルアーティストらのプロの技を生かし、花と燭(キャンドル)をふんだんに使った会場装飾、華やかな色打ち掛け、多数の花を使った新婦の髪飾りなどで演出。「葬式や法事」のイメージが強い寺の空間を華やかに盛り上げた。

 当日は、花嫁道中から始まり約30人が参列。挙式は仏前式ならではのセレモニーとして、住職が2人の頭上に水を振りかける「酒水灌頂(しゅすいかんちょう)」、数珠の授与、三帰礼文の唱和などを行った。新郎の嶋山進一さん(美大体育講師・28歳)と新婦の新田彩音さん(看護師・25歳)は「寺のイメージがガラリと変わる装飾や挙式の雰囲気に驚いた。2人の絆、親族の絆も強まった」と感想を述べた。

 同組合の吉井麻萌理事長は「金沢らしさやおもてなしの心、新郎新婦が伝え残したいものを形にするお手伝いをしていきたい。会場や場所を固定せず、希望に沿ったウエディングのシーンを創出する企画に注目してもらえれば」と話す。

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