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金沢海みらい図書館でアートプロジェクト-ユーモラスな「ピンクとエッロ」

トニー・アウスラー「エッロ」2003
ファイバーグラス、DVD、DVDプレーヤー、プロジェクター 
H104×W143×D41センチ 金沢21世紀美術館蔵
© Tony OURSLER
photo: KIOKU Keizo

トニー・アウスラー「エッロ」2003 ファイバーグラス、DVD、DVDプレーヤー、プロジェクター  H104×W143×D41センチ 金沢21世紀美術館蔵 © Tony OURSLER photo: KIOKU Keizo

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 開館から3カ月を迎えた金沢海みらい図書館(金沢市寺中町、TEL 076-266-2011)の1階交流ホールで現在、海みらいアートプロジェクト「ピンクとエッロ」が開催されている。

金沢海みらい図書館のアートプロジェクトで展示されている「ピンク」

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 夏休みに来館する子ども向けに企画された同プロジェクトでは、金沢21世紀美術館(広坂)が所蔵するニューヨーク出身の作家、トニー・アウスラーさんの作品を展示する。布やファイバーグラスで作った人形に人の顔の像を投影するインスタレーションで知られるアウスラーさんは、ビデオ・アートの新しい地平を開いた一人。

 広く真っ暗な会場には、ファイバーグラスでカエルの頭の形にかたどられた立体に人間の顔の目と口が投影された「ピンク」と、白い円形の塊にデフォルメされた黄緑色の人間の顔が投影された「エッロ」が並ぶ。口と比べ大きすぎる4つの目がキョロキョロとせわしなく動き、まばたきする。鼻はなく、大きな目玉・赤い唇・白い歯などが奇妙に強調された顔相は、ユーモラスでありながらグロテスクな雰囲気を漂わせる。

 ピンクとエッロがようやく聞き取れるほどの声でつぶやく英語は、「霧・緊迫・驚嘆・熱傷・欲望・欲望・欲望…」(ピンク)、「無・境界・神聖な・悪魔・発見・さく裂する…」(エッロ)といった定まったストーリーのない言葉の羅列。奇妙な顔の表情と暗示的な言葉の組み合わせにより、作品を見た人が記憶や深層心理にある感情を揺さぶられるような内容となっている。

 開館以来、約24万人の利用者が訪れた同館で初のアートプロジェクト。子どもたちの中には、驚いて泣きだしてしまう姿や興味を抱いて何度も見に来る様子も見られるという。同館の千田朋子さんは「見る人によって感じ方が異なる作品だけに、想像力をかき立てられ、自身の価値観をあらためて問いかけられると思う。ぜひ足を運んでもらえれば」と来館を呼び掛ける。

 関連イベントとして8月26日、金沢21世紀美術館スタッフによる絵本の読み聞かせ(14時~14時30分)、ギャラリー・トーク(14時30分~15時)を予定する。

 開場日時は、火曜・木曜・金曜=10時~18時、土曜・日曜=10時~17時。月・水曜日閉場。8月30日まで。

後援申請20141009
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