金沢の夏の風物詩「氷室開き」-湯涌温泉の氷室小屋がリニューアル

湯涌温泉で行われた「氷室開き」

湯涌温泉で行われた「氷室開き」

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 金沢市郊外の温泉街・湯涌(ゆわく)温泉で6月30日、冬に氷室小屋に詰めた雪を切り出す伝統行事「氷室開き」が行われた。

リニューアルした玉泉湖畔の氷室小屋

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 藩政時代の金沢では、旧暦6月1日の「氷室の節句」に合わせて、氷室と呼ばれる保冷庫に貯蔵した雪氷を江戸まで運び、将軍家に献上していた。氷室は、明治以降は天然の冷蔵庫として重宝され、湯涌地区にも昭和30年ごろまで存在したという。

 氷室開きは湯涌温泉観光協会が氷室を再現して行っている行事で、今年で25回目。毎年1月の最終日曜に行う「氷室の仕込み(雪詰め)」とともに季節の風物詩となっている。

 今年は1986(昭和61)年に建てた玉泉湖畔の小屋を建て直し、お披露目を兼ねて式典を実施。小屋の戸を開けると、観光客らが競うように中をのぞき込み、白装束の若衆が雪を切り出す様子を見守った。

 関係者によれば今年は積雪量が多く、春先に気温が低い日が続いたことから、60立方メートルの氷室いっぱいに詰めた雪の4分の3が残っており、例年通り県知事や市長に献上するほか、かつて加賀藩の下屋敷があり、金沢とのゆかりが深い東京・板橋区にも贈るという。

 金沢では7月1日に氷室の雪に見立てた「氷室まんじゅう」を食べ、1年の無病息災を願う風習がある。

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