特集

今、金沢で何ができるか。震災後の閉塞感払しょくへ一歩踏み出せ。

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外国人観光客を呼び戻せ「エクスペリエンス・カナザワ」

金沢市内のホテルや旅館などで組織する「外国人旅行客おもてなし推進会」は3月30日、石川県を訪れる外国人観光客向けの多言語ウェブサイト「エクスペリエンス・カナザワ」を立ち上げた。伝統工芸や料亭での芸妓(げいぎ)遊び、和装などを県内在住の外国人が体験、取材するほか、日本人スタッフが地元の食文化やおすすめの観光スポットを紹介する内容となっている。
サイトの制作運営は、北陸新幹線開業に向けた行動計画「STEP21」の重点プロジェクト・リーティング事業として県の認定を受けているが、震災の風評被害により石川を訪れる外国人観光客が激減する逆風の中でのオープンとなった。事務局を務めるアーテックス(金沢市竪町)の川上広造さんは「観光立国を目指す日本の経済を支え、被災地の復興を応援するために私たちが立ち止まることはできない」と言い切る。トップページには、「あなたが日本を訪問することが、日本の震災復興の支援になります」と、外国人向けに英文メッセージが記されている。
「リポーターとして登場してくれた在住外国人が、フェイスブックなどを通じて海外の家族や友人にリアルタイムに石川の情報を発信してくれている」と、口コミの力に手応えを感じている川上さんだが、「石川に観光客が戻ってくるのはもう少し先のことになるのでは」と話す。
「今すぐ石川に来てくれと呼びかけても無理。でもここで情報発信を止めてしまえば、観光客は戻ってこない。私たちができることは、石川には震災後も以前と変わらない日常があると世界に伝えていくこと」(川上さん)
これからの旅行のスタイルは、団体旅行ではなく、特にヨーロッパからの個人旅行が中心となると予想する川上さん。サイトは現時点では英語表記のみだが、今後は体験リポートを充実させるとともにフランス語での展開も進め、個人客の集客を図っていく。

飲食店紹介マップで「金沢の食」を全国PR-北陸新幹線開業に向け(金沢経済新聞)海外の富裕層を金沢に-観光事業者ら集め「ラグジュアリー国際会議」(金沢経済新聞)外国人向け英語版フリーペーパー-金沢のデザイン会社が第2号発行(金沢経済新聞)エクスペリエンス・カナザワ

■復興支援イベントをマップに集約「マップ・シーク」

「マップ・シーク」は、昨年12月にオープンした情報ポータルサイトだ。運営するエーアイディー・ファクトリー(西金沢)の林康範さんは「ラーメン、スイーツなどのキーワードを入力するのが従来の情報検索だとすれば、マップ・シークは今いる場所やこれから行く場所などのロケーションに着目し、地図上で検索してもらうことがコンセプト。空から見ているような感覚で直感的に情報を検索できるので、新しい発見がある」と話す。現在、さまざまなイベントを告知する「イベントマップ」、割引情報を発信する「クーポンマップ」、飲食店がランチメニューを掲載する「ランチマップ」、子育てに役立つ情報を紹介する「子育てマップ」、ペット関連の情報を集約する「ドギーマップ」、新規・リニューアルオープンした店舗を掲載する「ニューオープンマップ」の6つのカテゴリーのマップを展開する。
東日本大震災は、林さんがサイトの充実に向けた営業に力を入れている最中に起きた。企業や店舗は相次いでイベントを中止し、消費者は買い物や観光を控えるようになった。「自粛が行き過ぎると、日本全体の経済が停滞してしまうのでは」と危機感を持った林さん。同時に「被災地支援に向けて、何か自分にできることはないか」との思いも募り、全国各地で行われるチャリティーイベントの告知や支援活動の情報提供の場として、マップ・シークのイベントマップ機能の無料開放に踏み切った。金沢では震災被災者を受け入れているホテルや、利益の一部を復興支援に寄付するエステ店などが情報を発信しているほか、全国各地から情報が寄せられている。
関連情報の無料掲載は現在も受け付けている。林さんは「被災地に元気を取り戻してもらいたいという店舗や企業の気持ちをマップ・シークを通じて届け、その上で個人消費を促すことで社会全体を元気にしていきたい」と意欲を見せる。

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