金沢市立安江金箔(きんぱく)工芸館(金沢市北安江、TEL 076-233-1502)で現在、特別展「総集編 安江金箔工芸館」が開催されている。
開館から35年を迎える同館は「金箔職人の誇りとその証しを後世に残したい」との思いから、金箔の打ち立て師であった故・安江孝明氏が建設した。以来、金箔製造道具や収集した美術工芸品を一般公開し、1982(昭和57)年には全国で唯一の「金箔の博物館」に登録された。その後は同市運営の下、金箔職人の世界を紹介し、美術工芸の名品の展示を行っている。建物の老朽化により6月30日で閉館し、今年10月には金箔職人が多く住む東山地区へ移転する。
同展は移転前の「総集編」として、安江氏旧蔵の絵画・書・陶磁・漆工・染織・金工・七宝・ガラス・彫刻・人形・金箔工芸品の作品群から厳選した56点を展示している(期間後期となる現在の展示は29点)。
前期に展示された、江戸~明治時代に制作された蒔絵(まきえ)で唐草が描かれた漆工「双六(すごろく)盤」や、明治時代に制作され中国の故事にちなんだ吉祥の置物「西王母」などが来館者の注目を集めた。
開館時間は9時30分~17時。入館料は、大人=300円、65歳以上=200円、高校生以下無料。6月30日まで。