金沢で日仏自治体交流会議-芸術展・観光客誘致で協力誓う

日本とフランスの自治体を集めて開催された交流会議

日本とフランスの自治体を集めて開催された交流会議

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 姉妹都市関係にある日本とフランスの自治体の代表者が一堂に会する「第2回日仏自治体交流会議」が5月12日・13日、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1)をメーン会場に開催された。

交流会議の様子

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 日仏自治体交流会議の初回は2008年10月、日仏修好150年を記念してフランス・ナンシー市で開催され、参加した29自治体が「地方ガバナンスと持続可能な発展」をテーマに意見を交わした。2回目となる今回は、金沢市をはじめ京都市、大阪府、鎌倉市など国内の26自治体と、パリなどフランスの18自治体の首長ら約200人が参加して地域の実情や取り組みを報告、連携の可能性を探った。また芸術展や観光客誘致の面で相互協力を誓う「金沢宣言」を採択した。

 全体会では、温室効果ガス排出量とエネルギー消費量25%削減を目指すパリが、自転車のシェアリング制度を実施して成功し、電気自動車の同制度導入も検討していると説明。「持続可能な開発により、これまでとは異なる豊かさや雇用が生み出される」と施策に自信を込めた。仙台市は住民の通勤時間短縮のため、都市の構造をドーナツ型から十字架型に変える方針だと述べ、参加者は地球温暖化防止に向けて早い対応が必要だとの認識を共有した。

 分科会は「文化」「経済」「環境」「社会」の4分野に分かれて行われ、文化の分科会では、金沢市など13自治体が「文化、伝統を地域振興に生かすための行政、学術、産業界の役割」をテーマに意見交換。金沢市は市の補助によって、加賀友禅のドレスやガラスと九谷焼を組み合わせたワイングラスなど、伝統工芸の新製品が生まれていると取り組み例を挙げた。

 経済の分科会では、市内企業の半数以上が情報通信産業関係というイッシー・レ・ムリノー市が、携帯電話を使った駐車料金支払いシステムなど、ITを使った先進的な行政サービスを紹介。環境の分科会では地球温暖化と廃棄物対策、社会の分科会では少子高齢化が話し合われた。

 開会に先立ち、日本側推進委員長の山出保金沢市長が「姉妹都市交流を一対一の自治体交流から面的な広がりを持つものへ進化させていきたい」とあいさつ、フランス側推進委員長のアンドレ・ロシノナンシー市長は参加自治体の祭りなどの情報を、インターネットを通じて定期的に発信することを提案した。フィリップ・フォール駐日フランス大使は来年2月ごろ、サルコジ大統領が来日する予定であることも明かした。

 会期中、金沢市と、ガラス工芸と家具づくりが盛んな姉妹都市・ナンシー市は、両市間での学生と工芸職人の交流を申し合わせた「ものづくり交流合意書」に調印した。次回は2012年9月ごろ、フランス・シャルトル市で開催する。

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