金沢で5月12日・13日に開催される「第2回日仏自治体交流会議」を前に8日、同市内で「フランス芸術週間」が幕を開けた。
同週間は金沢市が設定。14日までの会期中、市内の広場やホール、公共施設、ホテル、百貨店などを会場に、美術・音楽・食・大道芸などのイベントを開催し、市民や観光客らにフランス文化を紹介する。
8日・9日は市内15カ所で「まちかどフランス芸術祭」が繰り広げられた。JR金沢駅もてなしドーム(木ノ新保町)では、金沢出身のシャンソン歌手小松原るなさんが「パリの空の下」「セ・シ・ボン」などを披露。「石川県政記念 しいのき迎賓館」(広坂2)では、フランス歌劇の代表作「カルメン」のハイライト、カルメンが女友達とともにトランプ占いをして自分の死を予感する場面が演じられた。香林坊や竪町では、ボールや中国ゴマを使って華麗な技を見せる「ジャグリング」や道化師の一人芝居、炎を使ったダンスパフォーマンスがあり、あちこちに人の輪ができた。金沢美大油絵専攻の学生も各会場で来場者の似顔絵を描き、大道芸人でにぎわうパリの街角の雰囲気を再現した。
金沢市文化ホール(高岡町)の展示ギャラリーでは、「フランス美術展 金沢市・金沢美術工芸大学所蔵作品展」が始まり、オーギュスト・ロダンの彫刻「歩く人」や銅版画家アブラアム・ボスのエッチング作品、マルク・シャガールの版画など35点が会場を彩る。中でも、ボスの作品は、鏡を見る女性と望遠鏡をのぞく若い男をモデルにした「視覚」、ナプキンを手に、上品に野菜の「アーティチョーク」をつまむ女性を描いた「味覚」など、当時のフランスの日常的な情景描写で五感をユニークに表現しており、来場者の関心を集めている。
「フランス美術展」の開催時間は10時~17時(11日~13日は20時まで)。