金沢市長坂の曹洞宗の古刹(こさつ)大乗寺(金沢市長坂町)で10月15日、金沢市旅館ホテル協同組合が外国人モニターを対象にした座禅体験イベントを実施した。
ミシュランが発行する日本版観光ガイドブックで兼六園が三つ星に選ばれたことなどから、ここ数年、金沢を訪れる外国人旅行客が増加している。同組合では2年前から英語版サイトを立ち上げ、金沢の観光情報の海外発信に努めてきた。
座禅体験イベントは、体験型のインバウンド観光商品を開発することを目的に、同組合が試験的に実施したもの。ウェブや外国人観光客向けの英語版フリーペーパーで外国人モニターを募集したところ、定員を大幅に超える申し込みがあったという。
当日は石川県在住のインド、メキシコ、アメリカ、イギリス、ベトナム籍の外国人9人が大乗寺の修行僧から座禅の説明や寺の由来を聞いた後、約1時間の座禅に挑戦した。
座禅体験は、外国人のために特別なプログラムを用意するのではなく、日本人と同じ内容を体験してもらいたいとの考えから、大乗寺が毎週日曜に一般市民を対象に開催している「日曜座禅会」に参加する形で行われた。移動もあえて観光バスを使わず、地域の暮らしにふれてもらう目的で路線バスと徒歩にした。
同組合常務理事の石田憲二さんは「多数の参加申し込みがあったことで、ニーズはあるとの手応えを感じた。モニターの意見を反映させ、来春以降にも本格的に座禅体験ツアーを実施していきたい」と意気込む。