金沢・湯涌温泉で「氷室開き」-氷室に保存した雪を取り出す夏の風物詩

観光客が見守る中で行われた氷室開き

観光客が見守る中で行われた氷室開き

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 金沢市湯涌(ゆわく)温泉の薬師寺境内で6月30 日、「氷室(ひむろ)開き」が行われ、今年1月の大寒の日に氷室小屋に詰められた雪が取り出された。

「氷室開き」を見学に来ていた近隣の保育園児

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 湯涌温泉の氷室開きは、夏の氷が珍重された江戸時代、加賀藩が氷室と呼ばれる保冷庫に雪を保存し、徳川家へ献上していたことにちなむ行事。今年で24回目を迎え、夏の風物詩として市民に浸透している。しかし近年は暖冬による雪不足が続き、地元の雪だけでは不十分なため、今年は能登の氷室小屋でも雪を保存。イベント前に湯涌温泉の氷室小屋に雪を移し、開催にこぎ着けたという。

 式典に先立ち、湯涌温泉観光協会長の安藤精孝さんが「文献には将軍が加賀藩から贈られた氷室雪にミツをかけて食べたとの記述もある」と湯涌温泉の氷室の歴史を紹介。その後、白装束の若衆が雪を切り出し、薬師寺に献上した。見学に来ていた近隣の保育園児は、氷室雪に触れて、「冷たくて気持ちいい」と歓声を上げ、式典終了後は湯涌夢二館前広場で、訪れた人たちにかき氷やそうめんが振る舞われた。

 7月1日は「氷室の朔日(ついたち)」。金沢では氷室雪に見立てた「氷室まんじゅう」を食べて1年の無病息災を願う。

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